強い人 めめラウ ページ23
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先風呂入るねー、なんて
ご飯中も上の空だったくせに、また1人に逃げるんだ
こういう時はそっとしておくのが1番だって
もう何回もその言葉を聞いてるから分かること
ラ『 …プリン、見たかな 』
僕なりの、元気だして大丈夫だよ、の差し入れ
どうしたの?何があったの?どう辛いの?
そんなこと聞いたって、
まともな答えが返ってきた試しがない
1人で閉じこもって、1人で抱えて、1人で解決した振りをする
周りには『俺に話してね』とか言うくせに
遠いお風呂から聴こえてくるのは
優しいメロディに乗せた、励ましの言葉
そういうの、俺に求めてよ。
ラ『 はいもう知らない 』
きっと、絶対泣いてると思うけど
もう知らない。
この曲を聴く時のめめは、きっと1人で立ち上がれない
ラ『 おじゃましまーす!!! 』
蓮『 ……っっ?! 』
なんにも見てない
真っ赤な目も、お風呂のお湯か涙か分かんないそれも
なんにも、見てない。
ラ『 遅いんだもーん。 』
『 寒いし早く温まりたかったのに 』
蓮『 ……あ、あぁ、…ごめん 』
ラ『 ねぇ、プリン買ってきたの、見た? 』
蓮『 ん? 』
ちょっとごめんなさいね、って
湯船を半分ずっこして、めめのスマホから流れる
ポジティブなのか、ネガティブなのか
よく分かんない曲を止める
今は、2人の言葉で充分。
ラ『 いつも混んでるんだけどね、今日帰り見てみたら珍しく空いてたから 』
『 初めてだから、どっちもカスタードだけど…後で食べようね 』
蓮『 …ん 』
ラ『 お背中、流しましょうか? 』
蓮『 …もう……まじえぐい…ありがとう、 』
『 助かった 』
ラ『 なにがぁ? 』
濡れた手で、めめのほっぺを包む
多分、今親指に触れたのはお湯じゃないけど
僕、なんにも気付いてないから
安心して、素直になってね。
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作者名:rui | 作成日時:2021年1月16日 10時