りんねと桜の結婚前夜 (ページ4)

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第4話ページ4

そして、結婚式当日を迎えた。
今日はAも死神の仕事を休んで、現世で人間に姿が見えるようにしていた。

「遂にりんねも結婚か…僕たちの結婚式を思い出すよね、ママ！」

「そうね。生まれ変わってしまった時はもうりんねには会えないと思ってたけど…今こうして結婚式に来られて本当に嬉しい！」

「…まさか、弟の方が先に結婚するとは思ってなかった…」

披露宴になると、綺麗なウェディングドレス姿の桜と、花婿姿のりんねが現れる。
ドレスで躓かないように手を引くりんねは、まさに紳士だった。

「桜ちゃーん！おめでと～！！」

「綺麗だよ～」

ミホとリカが、カメラを持って2人の姿を撮影する。

「くっ…真宮さんが幸せなら、それでいいか…」

「げっ、翼、まだ桜のこと好きだったの？」

「うるさいA！俺と六道はな、高校1年の頃からの恋敵なんだ！！」

「ちょっと～、せっかくの祝いの席が台無しだからやめてよね」

どこか悲しげな表情の十文字を、Aが小声で制する。
でも、悲しげなのは十文字だけではなくて、鳳も同じことだった。

「あ、鳳も来てくれたんだ」

「そりゃね。りんねが結婚するーってAが式の招待状送りつけてくるんだもの、来ないわけにいかないわよ」

鳳はどうやら、りんねに対してはもう諦めがついている様子だった。
ここでトラブルが起こったらどうしようかと悩んでいたAは、少しホッとする。
まだ、こちらも心配なのだが。

「架印先輩！お久しぶりです」

「ああ、れんげか。久しぶりだな。まさか僕たち2人とも六道りんねの結婚式に招待されるとは驚いた」

「わたしもですっ！架印先輩は、記死神のお仕事はお休みなんですか？」

「今日は有給を貰ってきた。もしかしたら、ここで六道鯖人を捕まえられるかもしれないからな」

「えっ！？そ、そうですね！！」

鯖人の名前を聞いて少し動揺するれんげをよそに、架印はずっと鯖人を目で追っていた。

「わーい！綺麗な花嫁さん！！ご馳走いっぱい！！架印さま、食べてもいいですかー？」

「こら、騒ぐな。…うちの鈴がすまん、A」

「いや、いいけどさ」

本来ならば静かに2人を祝福する場面だが、一部の客のおかげでいつも通りの賑やかな空間に様変わりしてしまった。