第2話 ページ2
「あ、いたいた!桜〜〜!」
「あ、Aちゃん。どうしたの?浄霊してたの?」
「うん。あたしの羽織が破れちゃってさ…りんねに借りてるんだけど」
「そうなんだ。一瞬六道くんかと思ったけど、髪長いからすぐにわかったよ」
Aが浄霊を終えて、これから帰ろうとしている途中のことだった。
スーパーの帰りなのか、袋をたくさん抱えた桜が道を歩いているのを見かけたのだ。
Aは桜を探しに行こうとしていたので、手間が省けた。
「桜、これからおばあちゃんの家で家族みんなでご飯なの!桜もおいでよ」
「え?でも私がお邪魔するのは申し訳ないよ。せっかく家族みんなで集まれるんだし…」
「いーの、いーの!りんねも桜がいた方がいいと思うし、うちの両親も大歓迎だから!」
***
Aが桜を連れて家へと帰ってきたのは、それから少し経った頃だった。
魂子は笑顔で彼女を迎え入れる。
「あら〜、桜ちゃん!いらっしゃい、どうぞ上がって〜」
「お邪魔します…」
桜は少し緊張した面持ちで家に上がる。
「実はさ、桜を連れてくること、りんねには言ってないんだよね〜」
「あら、そうだったのA?鯖人と乙女さんには言ってたのに?」
「秘密にしたかったの!さっきからりんね、ずーっとムスッとしてて空気悪いんだもん」
Aに手を引かれて、桜は居間へと案内される。
襖を開けると、そこにみんなが集まっていた。
「あら、桜ちゃんこんにちは!!」
「やあ、桜ちゃん。久しぶりだね〜」
「まっ、真宮桜…!?なんで、ここにっ」
桜とAが現れ、苺(乙女)と鯖人、りんねが一斉に振り返る。
「あたしが連れてきたの!りんね、桜がいた方が楽しいでしょ?さっきからお父さんと喧嘩してばかりだし」
「姉貴…真宮桜だって忙しいんだ。そんなに無理やり連れて来たら可哀想だろ」
「あーあ、つれない弟。誰に似たの〜」
「そう言う姉貴の楽観的な性格は、親父に似たんだろうな」
うっ。
Aが顔をしかめた。
父親に似ていると言うことは、Aが1番言われたくない言葉だった。
「お父さんに似てるとか最悪なんだけど」
「ちょっとA、そんな事言わないでくれよ〜、パパ寂しいよ?」
「ちょ、くっつかないでってば!!」
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作者名:スカーレット*アルテミス | 作成日時:2017年10月1日 12時