第9話 ページ9
あたしの三月に会えない寂しさを愚痴るために、一織に家に来てもらった。
もう一織は、あたしのことなんて諦めたんだと、ずっと思っていた。
「あの〜…えっと…」
一織から再び想いを告げられ、あたしの思考はストップしてしまった。
一織の目が、本気だ。
ふざけて言ってるんじゃない。
だからこそ、どうしていいのか分からなくなる。
「一織は…あたしの、何が気に入ったの？あたしみたいな女の子なんて他にもたくさんいるし、もっと美人で綺麗な人だっているのに」
「そうですね、確かに貴女からすればそうかもしれません」
一織は、また冷静ないつもの一織に戻った。
「ですが私は、他の誰よりも貴女が1番綺麗で素敵な方だと思ったから…」
どうしよう。
一織に『綺麗』だとか『素敵な方』とか言われて、こんなにも嬉しいと思っちゃうなんて。
綺麗だ、なんて百くんにも言ってもらえたのに。
可愛いって言ってくれた。
あたしのファンだと言ってくれた。
その時とは、何か違う。
こんなに、頭の中で響くことが無かった。
「うん…ありがと。でもあたし、一織の気持ちにはこたえられない」
あたし、どうしちゃったの？
どうすればいい？
自分で、自分が分からなくなる。
「…Aさん、顔色が良くありませんが、大丈夫ですか？少し休んだほうが…」
「だっ、大丈夫だから！！今日はごめんねオフの日に呼び出して…もう平気！ありがとね」
これ以上一織と話せない。
そう思ったあたしは、無意識のうちに一織を家から追い出してしまった。
せっかく、休みの日に来てくれたのに。
失礼なことしちゃった、と気づいたのは一織が帰った後のこと。
＊＊＊
私が小鳥遊事務所に帰って来ると、誰もいなかった。
皆さん忙しいようで、各々の仕事へ行っている。
ただ1人以外は。
「おかえり、一織」
「…兄さん」
兄さんは忙しさのピークから脱出できたらしく、ようやくまともに休みを貰えたらしい。
「…なぁ一織、お前どこ行ってたんだ？」
「…何ですか唐突に」
「それ、オレと一織のアルバムだろ」
兄さんが、私の手元を見て、そう言った。
いつもと違う、低い声で。
「Aの家だろ、そんな物見せる相手なんて、Aしかいない」
「はい、そうですよ。兄さんになかなか会えなくて寂しがってましたけど」
やっぱり。
兄さんは、言わなくても全部わかっている。
分かってるから、敢えて聞くのだ。
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和 泉 ミ イ ナ(プロフ) - 和泉兄弟推してるのでめっちゃドキドキしながら見させていただいてます！！！いおりんの優しさとツンデレなところ最高！三月は強い気持ちがあって、男って感じですね！どちら落ちでもいいと思います！しかし、いおりん落ちが見てみたいので、いおりん落ち希望します！ (2019年2月20日 23時) (
レス) id: bf1639f6e3 (このIDを非表示/違反報告)
露奈(プロフ) - 甘楽さん» コメントありがとうございます！落ちに関しては、まだ何も言えないのですが気長に応援してくれると嬉しいです！更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします (2018年5月24日 19時) (レス) id: a99c00a32e (このIDを非表示/違反報告)
甘楽 - どうか！一織落ちであって欲しい！！（ただの願望w）一織が大好きなんだぁぁぁぁ (2018年5月20日 21時) (レス) id: da733c0702 (このIDを非表示/違反報告)
露奈 - そうですよね…でもこういうの嫌だって方もいるので、一応書かせていただきました。ストーリーの流れ上、オリキャラかなり出るかなと思います… (2018年2月7日 18時) (レス) id: a99c00a32e (このIDを非表示/違反報告)
兎 - 夢主ちゃんもオリキャラと言えばオリキャラだと思いますよ汗 (2018年2月3日 17時) (レス) id: 8632d56fb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スカーレット＊アルテミス | 作成日時：2018年1月6日 18時
