第3話 ページ4
談話室の奥で、ヘッドフォンで音楽を聴いていた人。
彼は、私の声を聴いて振り向いた。
「あれ、A…？」
「…お兄ちゃん！！」
私の兄だった。
本当に、この劇団にいたんだ…。
「ええええ！？ちょ、どういうこと！？」
「まじか…椋の彼女と兄妹だったのか！？」
「兄妹なのに別属性キタコレ」
な、なんか結構ざわついてる…？
私って、そんなにお兄ちゃんと似てないのかな？
とりあえず、改めて自己紹介。
「え、えっと、聖フローラ中学3年の、碓氷Aです！！兄がいつもお世話になってます」
「うわ…真澄と違って礼儀正しい子だな〜」
「万里うざい。監督の隣に立つな」
でも良かった。
お兄ちゃんが劇団に入ることになって、実はずっと心配だった。
今こうして楽しそうにしてて、安心した。
「で、幸は気づいてたのかよ」
「当然。苗字が同じなんだしすぐ分かった。この人がAのお兄さんかー、って」
そっか。
幸と知り合ったのは私の方が先だったからね。
「話してみたらサイコストーカーで正直引いた。あんたら本当に血の繋がりあるの？」
ひどい！！
ちゃんと繋がってるのに…。
「というか、Aは帰らなくて大丈夫？もう外は真っ暗だけど」
うわ。
幸が窓を指差して言った。
もう真っ暗だ…日が短いなぁ。
「俺が家まで送ってあげようか？車出してあげる」
スマホ片手に持つ若い男の人が、そう言った。
この人も、劇団員…？
「あれ、至さん珍しいですね、そんな事言うの」
「監督さん、俺のこと馬鹿にしすぎじゃない？今はメンテ中だから暇なんだよね」
なんかよく分からんけども…帰ろう。
私は大丈夫ですと伝えて、寮を出ようとした。
「ちょっと待て、碓氷妹」
碓氷妹呼びされたの初めてだよ。
後ろから私を呼び止めたのは、眼鏡イケメンだった。
「今、お前はどこで生活してる？」
「えっと…実家ですけど」
すると眼鏡イケメンさんは、「そうか」と呆れた顔で呟いた。
「おい碓氷。お前…中学生の妹を実家に置き去りにしてきたのか」
え？
「ど、どういうことですか、左京さん」
眼鏡イケメンさんは、左京さんというらしい。
「たしか…碓氷家は、両親が不在だった筈だが」
「はい、そうですよ」
私がさらっと答えると、また皆さんは
「えええええええ！？」
ハモった。
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露奈 - 女子力無い子さん» ありがとうございます！なかなか更新できず申し訳ない…これからも頑張りますので、読んでくださると嬉しいです！ (2018年5月23日 17時) (
レス) id: a99c00a32e (このIDを非表示/違反報告)
女子力無い子(プロフ) - とても好きです！頑張って続きを書いてください！m(_ _)mお願いします！ (2017年12月31日 1時) (レス) id: 2b8a76a110 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吹雪アリス | 作成日時：2017年10月8日 18時
