第10話 ページ11
「Aちゃん、早くしないと遅刻しちゃうよ」
「あー待ってよ椋！」
寮での生活にもだいぶ慣れてきた頃。
聖フローラ中学では学園祭の季節。
私たちのクラスは喫茶店をする事になっていて、当番が当たっている私と椋は朝早く行かなきゃいけない。
「行ってらっしゃい、忘れ物は無い？」
「はいっ、行ってきます！いづみさん」
学園祭にはいづみさんたちも来てくれるって言ってたから、頑張らなきゃ！！
「ねぇ、Aちゃん」
「ん？どうしたの椋」
「今日の当番の時間が終わったら…一緒に学園祭まわらない？」
「え…」
「…あっ、ごめんね！やっぱりボクみたいなノロマな道端に落ちてるゴミとは一緒にいたくないよね、変な目で見られるもんね…！」
いや、そういう意味で驚いたわけじゃないんだけどな。
「ううん、嬉しいよ！私も椋と一緒がいいもん」
それに、ノロマな道端に落ちてるゴミって何だろ。
文脈が既におかしいけど、そんな椋も可愛いから悪くない。
＊＊＊
「いらっしゃいませー」
学園祭が始まった。
私と椋は接客担当として、お客さんの注文を聞いて品物を届けるので精一杯。
こういうの、青春って感じでいいなぁ。
すっごく楽しい！
「ねぇ、あそこにいる子見える？」
「え、どの子のことー？」
外部から来た、とある女性客の会話がたまたま耳に入って来た。
「ほら、そこで注文聞いてるピンク色の髪の…」
「あ、あの子知ってる。向坂椋くんでしょ」
「知ってるの？」
「うちの妹が狙ってるんだって。まぁでも分かるかも、かっこいいよね」
「そうそう、かっこ可愛いって感じ」
毎日椋と一緒にいるからすっかり忘れてた。
…椋って、モテるんだった。
そうだよね、優しいしかっこいいし運動も出来るし。
しかもあのお姉さんの妹が狙ってる…？
それって、椋のこと好き…ってことだよね。
「Aちゃん？」
「ひゃっ！？」
「あ、ごめんね…びっくりしちゃった？」
いけない、私は今お仕事しなきゃ！！
椋が、ずっと立ち止まってる私を気にかけたのかお客さんの前で堂々と私の頭を撫でる。
「疲れたなら、少し休んでていいよ。ボクはまだ元気だし、Aちゃんの分も頑張れるよ」
「ううん、大丈夫！！ほら、さっさと運んじゃお、あっちのテーブルはケーキと紅茶でしょ？」
「うん！」
あんな話、気にしてたって仕方ないもんね。
忘れなきゃ。
続く (更新停止中)
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露奈 - 女子力無い子さん» ありがとうございます！なかなか更新できず申し訳ない…これからも頑張りますので、読んでくださると嬉しいです！ (2018年5月23日 17時) (
レス) id: a99c00a32e (このIDを非表示/違反報告)
女子力無い子(プロフ) - とても好きです！頑張って続きを書いてください！m(_ _)mお願いします！ (2017年12月31日 1時) (レス) id: 2b8a76a110 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吹雪アリス | 作成日時：2017年10月8日 18時
