やっちまった恋愛 . zm ページ7
ゾムとは小学校の頃からなんだかんだずっと一緒に居た｡
と言うのも私自身あまり気にしていなかったが､ゾムは私に懐いていた｡ その流れで中学､高校､大学とずっとゾムは私に着いてきてくれていたんじゃないかと両親は言う｡
｢そこまで一緒に居るなら結婚すればいいのにねぇ｣
｢いや…ゾムの気持ち第一でしょうよ｣
｢男の勘だが､ゾムくんは絶対お前の事を幸せにしてくれるぞ｣
｢おん｡ 聞いてないねそんな事ね｣
両親の戯言は聞かなかった事にしておこう｡
そんなこんな話をしていると､唐突にゾムからの着信音が鳴り響いた｡ 盛り上がっている両親達を置いて､私は自分の部屋へ戻る｡
『ちッス』
｢ちッス｡ どしたん急に｣
『ん､いや｡ 声聞きたかった』
｢…あ､そう｡ …何かゲームでもする？｣
『する！』
…確かに｡ 改めてこう聞くと､ゾムは私に懐いてる｡
へぇ､と思いながらスマホとワイヤレスイヤホンを繋げ､とりあえずパソコンを開けようとデスクに向かう｡
『さっきまで何かやっとったん？』
｢んー？いや､別に…何かゾムと付き合い長いな〜って話｣
『あー…せやんな｡ 付き合って何年目やろ』
……………ん？
『確か…小学校の頃からやもんな』
｢…あぁ､あー…そういう事ね｡ 小学生からの仲やもんな､おん｣
『俺ら付き合ってから恋人らしい事一度もしてないからやろうな｡ そろそろなぁ､何か…こう…っぽい事してみぃへん？』
｢ッちょっっっと待て｣
『？』
待て待て待て｡
｢…ごめん｡ あの…私達いつから付き合ってるの？｣
『え？だから小学校…』
｢いやまずその前に付き合ってたん？私ら｣
『ｴｯ』
｢え？｣
ゾムの声からして｢そこから？｣と言う感じの事を言いたいのだろう｡ 言いたいのだろうけどちょっと待て｡
私らが付き合ってるなんて感覚､今の今まで一度も無かった｡ そう､思っている事を全てゾムに言うと｡
『…告白､俺したで？』
｢は？小学校の頃？｣
『…おん…』
｢…ちなみに､何て告白したん？｣
『…｢俺､お前とずっと一緒におりたい｣って…』
｢………ｯｽｰｰｰｰｰ………｣
──確かに､その言葉は聞いた事がある｡ そしてその言葉に｢私も｣と返した記憶もある｡
…これは､完全なすれ違いをしていたようだ｡
｢…あー…｣
『ｯﾌﾋﾊﾊ！』
｢…やっちまったなぁ｣
--------ｷﾘﾄﾘ線--------
──やっちまった恋愛｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 99人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
灯(プロフ) - 短編なはずなのにひとつのストーリーがずらずらずらと頭の中で流れるようでありました。どの話もとても好きです。ガルパニ。様の言葉選びがとても好き…表現が豊かでそれぞれのキャラが生きているように感じます！お身体に無理なくご執筆頂ければ私は幸せでございます… (5月8日 23時) (
レス) id: 3e566e3157 (このIDを非表示/違反報告)
人外人間白乃雫(プロフ) - ガルパニ｡さん» ( º∀º)∵∴ｸﾞﾊｯ! (4月15日 19時) (レス) id: 4a8cb482e0 (このIDを非表示/違反報告)
ガルパニ｡(プロフ) - 人外人間白乃雫さん» ☺️ (4月13日 23時) (レス) id: 9848d4898e (このIDを非表示/違反報告)
人外人間白乃雫(プロフ) - ガルパニ｡さん» ｳ、ｴｪ、ｵｫ…ヘ？( º дº)ﾊﾟｯ…ﾊﾟｴ?(？？？) (4月13日 20時) (レス) id: 4a8cb482e0 (このIDを非表示/違反報告)
ガルパニ｡(プロフ) - 人外人間白乃雫さん» その時は一コメ目是非お待ちしております…☺️✨️現時点でたくさんコメントを残してくださっているので十分常連さんですよ…！🙌いつもご愛読ありがとうございます…！🥰 (4月13日 20時) (レス) id: 9848d4898e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ガルパ二｡ | 作者ホームページ：http://ginga1106
作成日時：2024年2月23日 19時
