幸せなまま . ci ※ ページ11
病み｡
--------ｷﾘﾄﾘ線--------
｢俺､Aの事めっちゃ愛しとんよ｣
｢…海来て､何言い出すかと思ったら｡ 何､急に｣
｢んー？べっつにぃ？｣
恋人のチーノが急に家に来て､私を引っ張り出したと思ったらこんな場所に連れて来られた｡ 真冬で夜の海はガチで寒いんよ｡
唐突の事で着込んでこなかった私はガタガタと身体を震わせる｡ そんな私をチーノは｢あー､やっぱ寒かった？｣とヘラヘラ笑いながらその大きな身体で私を包み込む｡
｢…チーノさ､何でここに連れて来たの｣
｢え｡ …知りたい？｣
｢聞く権利はあるでしょ｣
｢あー…じゃあまぁ､ええよ｡ 言うわ｣
｢うん｣
私を離さないように､しっかりと抱きしめながらチーノはポツリと呟いた｡
｢…心中､したいねん｣
確かに､彼はそう､呟いた｡
しんじゅう｡ それは､男女が合意の上でお互いの愛情が変わらない事を確かめる為に…する事｡
｢…心中ねぇ｣
｢逃げへんの｣
｢…なんだろなぁ｡ 別に…逃げたいとかは無いんだけど｣
｢けど？｣
私の中で一番大事な事は｡
｢心中､するとしてちゃんと一緒に来てくれんの｡ チーノは｣
｢ッ当たり前やんか…っ｣
｢なら､してええよ｣
私の答えは即決だった｡ そんな私の様子を見て､チーノは安心したかのようにボロボロと涙を流し出す｡
こんな寒い所で泣いたら凍るで､涙｡
｢…ぉ､俺が言うのも違うけど…何で､何でそんなにすぐ受け入れられるん…？死にたくないとか､思わんの…｣
｢…幸せなまんま死ぬのもええなって､思うんですよ私は｣
｢っう…お､俺は…ほんまは死にたくないぃ…｣
｢うん｣
｢でも､でも…置いてくのも､置いてかれるのも､嫌やぁ…っく…｣
｢私も､置いてかれるのは…嫌やなぁ｣
にへ､と笑うと､チーノは｢ぅ…ごめんなぁ…ほんまに愛してるぅ…っ｣と改めて告白をしてくる｡ 私は｢私も｡ 愛してんで｣と優しく抱き締め返す｡
次の瞬間､チーノが私に体重をかけ､ぐらりと視界が揺れる｡
バシャン｡
海の中は本当に冷たかった｡ 感覚はすぐに無くなり､音も聴こえなくなる｡ 無音｡ 静かだ｡
そんな中､感じるのは自分の唇に当たる､柔らかい何かだけ｡
(こんな俺と､一緒に居てくれて､ありがと──)
そんな声が､最期に聞こえた｡
気が､した｡
--------ｷﾘﾄﾘ線--------
──幸せなまま｡
メイド､ここに見参しましたわ！→←総統様は､唯一幼馴染みには勝てないとの噂があるらしい｡ . gr
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ガルパニ｡(プロフ) - 灯さん» いつかはどれかのフル小説を書きたいなぁ､と思うくらいには好きな短編ばかりなのでそう言って頂けると本当に嬉しいです！✨️今後も体調第一で無理なく執筆して行きますので自己満足にしかすぎない小説達を宜しくお願い致します…！🙇♀️ (3時間前) (
レス) id: 9848d4898e (このIDを非表示/違反報告)
灯(プロフ) - 短編なはずなのにひとつのストーリーがずらずらずらと頭の中で流れるようでありました。どの話もとても好きです。ガルパニ。様の言葉選びがとても好き…表現が豊かでそれぞれのキャラが生きているように感じます！お身体に無理なくご執筆頂ければ私は幸せでございます… (5月8日 23時) (レス) id: 3e566e3157 (このIDを非表示/違反報告)
人外人間白乃雫(プロフ) - ガルパニ｡さん» ( º∀º)∵∴ｸﾞﾊｯ! (4月15日 19時) (レス) id: 4a8cb482e0 (このIDを非表示/違反報告)
ガルパニ｡(プロフ) - 人外人間白乃雫さん» ☺️ (4月13日 23時) (レス) id: 9848d4898e (このIDを非表示/違反報告)
人外人間白乃雫(プロフ) - ガルパニ｡さん» ｳ、ｴｪ、ｵｫ…ヘ？( º дº)ﾊﾟｯ…ﾊﾟｴ?(？？？) (4月13日 20時) (レス) id: 4a8cb482e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ガルパ二｡ | 作者ホームページ：http://ginga1106
作成日時：2024年2月23日 19時
