溢れる想い ページ34
「いや、意外とさ、俺らから客席、よく見えるんだよ？
可愛い子、いたら チェックしてるし(笑)
んで、バックにはけた時に あそこに可愛い子居たよ、とか メンバーと話してる(笑)」
「………。」
「、、アレ？
怒っちゃった？、、、」
「………。」
「嘘、嘘！！
今の、冗談だよっ？ 冗談！
本場中に そんな事してたら、不謹慎過ぎるでしょっ？ 」
どーだかね？
なんか腹が立ってきた、、、
「あーーっ！
この頃の翔君は カッコよかったなぁぁーっ！」
翔君が持ってたパンフレットを横から奪い取って。
ベッドにうつ伏せに寝っ転がって ページを開いた。
「この美しい顎のラインは 一体 どこに置いてきたんでしょーねー？」
「はぁ？」
翔君も おんなじように あたしの隣にゴロンと寝転んできた。
「見てよ、これ。
この、シャープな輪郭！それに比べて今は、、、」
「今は、、、何？」
「今は あんぱ、、、んって？、、ちょっ、、、待っ、、！」
「誰が アンパンマン、だってぇー？！」
言いかけたところで 翔君が 脇腹をくすぐってきた！
「やっ、、、何すんのっ、！、、、くすぐったいってばっ！」
逃げようとして体を反転して、天井を見上げたのも束の間。
視界に翔君が入り込んできた。
「もぉっ！ ホントの事言った、だけなのにぃ、、？」
翔君の左手が あたしの右手首を捕まえる。
お遊びの時間は、終わりだ、、、
だんだん翔君の顔が降りてきて、自然に目を閉じれば 唇に優しく触れて、離れる。
「こんなにも好きでいてくれて 、、、嬉しいよ？」
首筋に吐息が かかったら。
細く尖った舌先が、時々チュッと いやらしい音をたてながら。上から下へ、ゆっくりと移動する。
「、、、、んっ、、んぁっ、、、」
気持ち良さで 声が漏れる。
手首を掴んでた手は、指先を絡めるようにして重なりあって。
嬉しくて、自分から ギュッと力を込めて握り返した。
翔君が優しい顔で あたしを見下ろす。
想いが 溢れてしまいそうで。
翔君の目を見つめながら。
ギュッと握った その手の甲に
自分の唇を押し当てた。
「翔君？、、、、好き、、」
空いてる左手を伸ばして 指先で頬に触れ、
首筋を撫でて。
ゆっくり近付く翔君を待ち切れずに、
後頭部を引き寄せた。
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作者名：和妃
| 作成日時：2016年10月31日 15時
