** 巡りあわせ **【S.S】#3

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『こらっ！ 誰かに見られたらどーすんの！
……罰として残り全部Aが食べろよ？』

そう言い放つと ちょっと泳いで来る、って
食べかけのカキ氷を私に託して海に向かって歩いてった。

「今の絶対照れ隠しで逃げた(笑)」

平泳ぎで沖へと進む櫻井さんがあっと言う間に小さくなっていく。

カッコいいな。
私もあれだけ上手に泳げたらいいのに。

暫く櫻井さんをジーッと眺めてたけど
なかなか戻って来なくて
暇になったからパラソル付近で貝殻探し。

割れたり欠けてるのばーっか。
見つけるの難しいな、、
あ！巻貝の小ちゃいヤツ発見！！
砂地にばかり気を取られてたら

『コンタクト落とした人？
……嘘(笑)
ビーチコーミング、ってヤツ？』

櫻井さんが 滴を落としながら戻ってきた。

「綺麗な貝殻が見つからない」

『そう？、、、じゃあこれは？』
って手に渡されたのは 桜貝。

「えー？すごい！しかも欠けてない！」

『貝殻探してんなって思って俺も探してみたらすぐに見つかった(笑)』

「ありがと。」

『…あー、久々に泳いだら疲れたなー！』

櫻井さんがゴロンとビーチシートに寝転んだ。

ラッシュガードで足を覆い
膝を抱えて櫻井さんをチラッと見た。

「うわっ！今気が付いた！
へそピアスしてんのっ？！」

『あ？…あぁ。
若気の至りでな(笑)』

耳にピアスを開けてるのは気付いてたけど
おへそまで！

『(笑)そんな事より もうひと泳ぎしない？
で、少し乾かしてから帰ろ？』

「うん、、分かった。」


初めは恥ずかしくて櫻井さんの海パン姿を
直視出来なかったけど
時間の経過と共に普通に見られるようになってきた。

逞しい腕、程よく割れた腹筋。

濡れて垂れた前髪を搔きあげる仕草が
妙にカッコいい。


空が曇ってきて もう1度海に入ったら
寒いねって早々に上がった。

シートの上で暫く休んで
更衣室で着替えるだけ着替えてから駐車場へ向かう。

トランクから すのこを出し、その上に立って水の入ったペットボトルの水で足やサンダルの砂を洗い流す。

「用意周到だね」
『こうすれば足元綺麗だろ』

シートにタオルを敷いて乗り込む。
高級車、汚したくないのに櫻井さんは平気な感じ。
あまりこだわってないのかな。

『疲れたろ？途中で店に寄ってなんか買って帰るから着いたら起こしてあげる。
それまで寝てていいよ？』

「…ありがと。」


櫻井さんだって疲れてんのに運転してくれてるんだから起きておかなきゃ。

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