恋する少女とランス・クラウン【上】 ページ9
突然の来訪者2人に驚き、自分の部屋に戻ると、相部屋のレモンちゃんの姿がなかった。
一人であることにホッと息をつき、ベッドに寝転がる。
「･･･ドットくん、ボクたちの話聞いてないよね」
今更ながらボクの固有魔法は、当たり前だが呪文を唱えないと発動しない。杖を握っていれば、魔力が尽きない限り、人の心を覗くことが可能だ。
だから逆に言えば、不意打ちの場合は、魔法を発動していないせいで、人の心を読むことは出来ない。
「聞かれてたら、どうしよ･･････」
心を読む固有魔法。それがある故、人のいや〜な心の内も見透かすことが出来てしまう。
だから、ボクは極力力を使うことはしないし、他人に興味を持たないようにしてきた。
ずっと。
今までは。
ドットくんたちと出会う以前までは。
「･･････」
やはり気になる。気になるので、足を使おう。
否、偵察に行こう。
マッシュくんたちの部屋を覗くと、中は抜け殻だった。
ボクが退室してから数十分しか経っていないはずだが、なにかあったのかな。
「ん？あれって」
「なにしてるんだ」
「うおっ、あ、あっあぁええ･･･っいったっ！！」
驚きすぎて背後の扉に思い切り肩をぶつけた。そしてそのまま扉が開き、部屋の中で尻もちをつく。痛い。
「･･･驚かせて悪かったな」
差し出された手、そこから上に視線を移す。綺麗な青色の髪が目に飛び込む。
「･･･ランスくん」
2本線の入った端正な顔立ちが、ボクの貧相な姿を睨んでいた。
うわ、こわ。
ボクそんなに悪いことしたか？いや、覗きはしたけど。
恐る恐る差し出された手に自分の手を乗せると、強い力で引っ張られる。
「･･････で、ここでなにしてる」
握られた手に力が入る。女の子に加えていい力じゃない。握力ゴリラか。
「罵倒された気がするんだが」
「ランスくん力強いねースゴイネー」
なんで分かるの！？
心を読む能力はボクの専売特許なのに。勝手に使用するな、金を払え。
そして褒めたのにジロリと睥睨される。ここにいた理由を話せと言いたいらしい。そこまで気になることなのか。
いや、最近寮同士の闘いでピリピリしてるし･･･、スパイの線を疑っているのかも。なんたってマッシュくんは、先の合同訓練で金のメダルをゲットした人物だ。
「･･･さっき、フィンくんたちに相談しに来てて、まだいるかなって思って来たんだよ」
「相談･･･？」
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さくさん(プロフ) - ひゃあああああこういうの大好きです！！！！更新お待ちしております…♡ (6月13日 8時) (
レス) id: d31a4e6606 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - ドットくん何気に好きなので楽しみにしてます‼️更新頑張ってください^ ^ (6月5日 20時) (レス) id: 390c1a0e26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うぐいす。 | 作成日時：2023年5月21日 16時
