フィン・エイムズとクラスメイト ページ7
「あれ、マッシュくん珍しいね。いつもはシュークリーム食べてるのに」
「うん。レアン寮に対抗するために、
「・・・・・・ダジャレ!?」
とかなんとかよく分からない会話をマッシュくんと繰り広げていると、不意に部屋の扉を叩く音がした。
「はーい、・・・って、Aちゃん?珍しい、どうしたの?」
不思議に思いながら彼女を部屋に通す。
あのね、とAちゃんが切り出そうとして、マッシュくんの姿を見て言葉を止めた。
「なんで唐揚げ・・・?」
「それは、レアン寮に」
「ま、マッシュくんのことはともかく!Aちゃんはなにか用があって来たんだよね?」
このままだと話が進まない予感がしたので、唐揚げをむしゃむしゃと頬張るマッシュくんには悪いけど、強引に話を本題に戻す。
「あ、うん。実は・・・恋愛相談にのってもらいたくて来たんだ」
「れ、恋愛相談?」
失礼かもしれないけど、つい驚く。Aちゃんが恋愛をするようなタイプには、とてもじゃないけれど見えなかったから。
そんな僕の反応に、彼女は怒るでもなく笑って答えた。
「やっぱりフィンくんもそう思う?ボクも好きな人なんて一生出来ないと思ってたんだけどね」
そう話すAちゃんはなんだかいつもより輝いてみえた。恋をすると女性は綺麗になると聞くけれど、もしそれが本当なら、彼女は間違いなく恋をしているということになる。
そういえば、恋をしているといえば・・・。
「レモンちゃんには相談しなかったの?」
マッシュくんラブなあの子なら、僕たちなんかよりもずっと、恋愛相談に向いていると思ったんだけど。
と、僕の質問にAちゃんは、何処が言いずらそうな口調で、
「レモンちゃんに聞いて、マトモな答えが返ってくると思う・・・?」
「う、ううん・・・」
好きな人と顔を合わせるたびに求婚をするレモンちゃんの姿を思い描くと、残念ながら咄嗟には、曖昧な返答しか出てこなかった。
っていっても、僕もマッシュくんも、レモンちゃんとどっこいどっこいなくらいには、色恋沙汰には縁がないと思うから、人のことは言えないけど・・・。
「・・・ん?ていうか・・・」
「?どうかした?」
「えっと、Aちゃん、好きな人がいるって言ったよね?」
今更ながらの問いに頷く彼女を見ながら、僕は赤色の髪のクラスメイトの姿を思い出していた。
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さくさん(プロフ) - ひゃあああああこういうの大好きです!!!!更新お待ちしております…♡ (6月13日 8時) (レス) id: d31a4e6606 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - ドットくん何気に好きなので楽しみにしてます‼️更新頑張ってください^ ^ (6月5日 20時) (レス) id: 390c1a0e26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うぐいす。 | 作成日時:2023年5月21日 16時