少女とプレゼント【下】 ページ6
綺麗にリボンで包んである箱を渡せば、ドットくんは驚いた表情を見せる。
そりゃそうだ。急にプレゼントと称して物を渡せば、驚かないはずがない。
もしくは、俺の心を読んだのか！？と思うかもしれない。事実読んだのだけれど。
ｰｰｰ君は思った。マッシュだけ狡い、と。
女の子から心の籠もったプレゼントを渡される彼が羨ましい、と。
「･･･なんで急に･･･？」
「そういう気分だったからかな」
だからって別に、プレゼントが欲しいと直接心にしていたわけではないけれど･･･、だから、そう、ボクの気分だ。
なんだろう、こんなの初めてだ。
心が読める。だから次にする相手の反応がなんとなく分かる。･･･分かるんだけど、それでもドキドキするのは、やっぱりドットくんが初めてだ。
「･････････ありがとう。開けていい、か？」
「うん」
ドットくんが優しい手つきでリボンを解く。
「･･････ハンカチ」
「この前怪我してたから。ハンカチがあったら便利かなって。･･･最初は自分で作ってみたんだよ。けど、やっぱり裁縫って難しいね。レモンちゃんみたいに器用にはいかないや」
「え、態々作ってくれたのか？」
肯く。市販のようにとはいかずとも、もう少し上手く出来ると思ったんだけど、と笑うと、ドットくんは顔を真っ赤にしてたじろいだ。
「･･･あ、いや･･･あり、ガトウ。ウレシイ。ジュウブンウレシイヨ」
「凄い片言だけど大丈夫？？」
心を読まなくても、なんとなく、喜んでくれたんだろうと分かって、ボクも嬉しくなった。
「それじゃあまたね、バイバイ」
「･･･あっ、待って、Aちゃん」
扉を開ける寸前でドットくんに声をかけられ、なに？と振り向く。
「あ、いや、エット･･･」
ボクが振り向くと、動揺するｰｰｰドットくんと初めて出会った日のことを思い出した。
モゴモゴ口を動かしていたドットくんが、ようやく意を決した表情で声を上げた。
「俺･･･Aちゃんにプレゼント貰って、スゲー嬉しかったから。･･･その、」
吸い込まれそうな真紅の瞳が、ボクの目と、バチリと合わさる。
「レモンちゃんに貰うより、嬉しい･･･から」
「･･･そっか」
ありがとう、と答えて、ボクは扉を開けた。
ドットくんがボクを好きなことくらい知ってる。心が読めるから。
それでもやっぱり、本人の口から聞きたかった。
ｰｰｰこれはきっと恋だ！
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さくさん(プロフ) - ひゃあああああこういうの大好きです！！！！更新お待ちしております…♡ (6月13日 8時) (
レス) id: d31a4e6606 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - ドットくん何気に好きなので楽しみにしてます‼️更新頑張ってください^ ^ (6月5日 20時) (レス) id: 390c1a0e26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うぐいす。 | 作成日時：2023年5月21日 16時
