少女とプレゼント【上】 ページ4
「うーん?いや・・・ええ!?やっ、ここをこうすれば・・・ああっ!!」
「いや・・・さっきからなにしてんの?」
背後で聞こえる四苦八苦した声に、とうとう反応してしまった。いや、これは仕方ない。こっちは机にかじりついて勉強してるっていうのに、後ろから唸り声が聞こえたら、そりゃあ反応したくもなる。
で、
「結局なにしてるの?」
「気になりますか」
「いや別に・・・」
そんな神妙な面持ちで聞かれても・・・、いや別に、としか。ボクはただ静かにしてほしかっただけだ。
するとレモンちゃんは、ボクの話なんて知ったこっちゃないのか、そうですかー気になりますかー!と言って、喜々として話し出した。
まあ、かわいいからいいや。
「じゃじゃーん!その名も、シュー子ちゃんです」
「・・・へー」
「反応薄っ!?」
逆にどんな反応してほしかったんだ。
・・・しかし、シュークリームのシュー子ちゃん。お世辞にもよく出来てるとは言えない。
「実は私・・・裁縫は少し苦手で」
へー、意外だ。
レモンちゃんは料理も上手なようだし、肌のケアもちゃんとしてたし、なんというか、器用な子っぽいけど。
「Aちゃんが思うほど器用じゃないです、私・・・。波乗りとか意味分かりませんし・・・」
「"並縫い"ね。ちょっと似てるけど」
急にサーフィンしだしたレモンちゃんに困惑しながら、彼女の持っているシュー子ちゃんに目を移す。
ボクも裁縫が得意というわけではないが・・・、これくらいなら教えられるかもしれない。
「えっ、本当ですか?」
「というかレモンちゃん、基本は出来てるから」
「本当ですか!まつげ縫い出来てましたか!」
「"まつり縫い"ね。惜しい!」
コンコンッと戸を叩く。出てきたのは部屋主のマッシュくん・・・ではなく、ドットくんだった。
「え、なんでいるの?」
「Aちゃんこそ・・・、えっ、まさかAちゃんもマッシュに会いに来たの!?」
違うけど・・・、と答えながら、部屋の中へ入れてもらう。
本来の部屋の主がいないのに入るのも、忍びないけど。
あの後、無事シュー子ちゃんを完成させたレモンちゃんは、お守りなんです、と言って、マッシュくんに渡してくると部屋を出た。
ただ、それからいつまで経っても戻って来ないので、なにかあったのかと心配になって、マッシュくんの部屋を訪ねてみたのだ。
文字数ヤバイので続き→
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さくさん(プロフ) - ひゃあああああこういうの大好きです!!!!更新お待ちしております…♡ (6月13日 8時) (レス) id: d31a4e6606 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - ドットくん何気に好きなので楽しみにしてます‼️更新頑張ってください^ ^ (6月5日 20時) (レス) id: 390c1a0e26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うぐいす。 | 作成日時:2023年5月21日 16時