14.戻った日常 ページ14
＊
モデル期間が終了し、いつもの日常に戻った。
よくわからなかった、説明できなかったあの関係から、ただのクラスメイトに。
相変わらず私は独りで、藤井さんは小瀧くんとワイワイ騒いで。
でも授業中は寝るし、気力はないままのいつも通りな好きな人。
「瀬良さん、美術部だっけ？」
『あ、はい』
「これできる？みんな絵下手だから頼れるの瀬良さんしかいなくて……」
『いいですよ』
学級委員から受け取った紙は、文化祭でクラスの出し物を宣伝するための絵を描いて欲しいというものだった。
自分の絵が、みんなが見るようなものに載るなんて恥ずかしい気もするけど、こうやって頼られるのは悪い気しない。
忙しそうに教室を出ていった学級委員の背中を見送り、コツコツ、と紙にシャーペンを当てて、どんな絵にしようかと教室の中を見てみたり。
今回の出し物は確か……お化け屋敷、だっけ。
……だったら。
藤井さんに似たミニキャラを描いて、そこに可愛く悪魔、お化け、ミイラと衣装を描いていく。
『……ん、可愛い』
毎年の事だけれど、出し物には興味が無いから一切手伝ってない。
だからこのクラスのお化け屋敷がどれくらいのクオリティなのかはわからない。だけど、みんなが言うには"怖すぎる"だから、
絵で引き付けて、来てみたら怖すぎるっていうギャップ。少しでも、ウケたらいいな。
そんなことを想像しながらほんの20分で描き終わった絵。もう既に学級委員はいないし、探しに行っても見つかる気はしないので、ファイルに閉じようとすると
後ろから降り注ぐ"可愛ええ"の4文字。
『……へ、』
「絵。リアルなのもふわっとしたのもええな」
『ふじ、ふじいさ、』
「欲しいけど……あかんのよな、これ……ああ、文化祭の宣伝か。じゃああかんわ」
私が反応する暇も与えてくれず、途切れることなく話し続ける藤井さんは、とうとう描き終わった紙を持ち上げて"欲しい"と呟く。
放課後以外は、話しかけないと思っていた。
理由なんて気にもしなかった。でも、ただただ周りの目が、とかだろうと勝手に思っていたから。
……それに、藤井さんは好きな人が。
昨日の言葉がひとつひとつ蘇って固まっていると、藤井さんは固まる私に気づいて"好きな人にはちゃんと伝えてるよ"と言う。
「瀬良さんに言われてその通りやなって思ったから。昨日の夜から、猛アタック中」
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News9864915(プロフ) - めちゃめちゃ好きです泣 藤井くんに好きな人がいる ってときや、大好きって書いたシーンで胸が毎回キューーってなります…！！ (2020年3月26日 13時) (
レス) id: 7b9d7e55b8 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - しよりんさん» いつでも待ってますよ！！ぜひ都合の良い時に(^ワ^=) (2019年11月20日 23時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - みーぽんさん» 多くの作品から選んで読んでくださり、ありがとうございました…！そう言っていただけると本当に嬉しいです、励みになります！！ (2019年11月20日 23時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
しよりん(プロフ) - ぽてとふらい。さん» しかもだいぶ長編なんで、下書き段階で全然終わらへん泣 早く読みたいですー！！ (2019年11月20日 13時) (レス) id: db32c84ab5 (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - はじめまして。一気に読ませていただきました。とても素敵なお話ありがとうございました(*´ω｀*) (2019年11月20日 12時) (レス) id: d6634a8534 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽてとふらい。
| 作成日時：2019年10月22日 10時
