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3限目が始まる前に、勉強道具を持って大学の図書館に向かう。
なぜか私は、家で勉強ができない人で。
だから中学生の頃から近くの図書館に向かっては、1人で黙々と勉強をしていた。
そのやり方は大人になった今でも変わらなくて。
大学の図書館は、市民図書館より居心地がいいし、何より大学ってこともあってか、設備が揃っている。
大学近くまで来ると、暇つぶしで開いていたスマホの電源を落とす。
門を抜けて図書館への道を進んでいく途中、
「今からなにか食べに行こうよ!」
「ん、ええよ」
聞いたことのある声が奥から聞こえてきて、ちらっと前を向けば、小瀧さんの腕に絡みつく元友達がいた。
『っ!!』
「それで、どこ行く?」
「んー、ハルカちゃんの好きなところでええよ」
「じゃあ今流行りのタピオカ行く?」
「ええやん、行こ?」
だんだんと近づいてくる2人にバレたくないっと脳が反応し、咄嗟に近くの角に隠れる。
……って、なんで隠れてるんだ私。
別に隠れて意味なんてないのに。
横を通り過ぎたとしても、小瀧さんが私に気づくはずがない。
だって一応、3限目からって言ってあるし、気の所為だって思うでしょ。
元友達なんて私を利用したとしか思えないから、覚えていたとしても、気まずくて無視するでしょ絶対。
「のん?好きだよ」
「んー、おん、ありがと」
……でも、ハルカって
私が紹介した男の子と付き合ってたはず。
「のんは私のこと好きじゃないの?」
「好きやで」
「……なんか、嘘っぽい」
「どうしたら信じてもらえる?」
「ぎゅー、してくれたら」
「それ以上でもええ?」
ハルカの腕を引き寄せて、触れるだけのキス。
気になってみてしまった私が馬鹿だった。
……なんか、胸が痛い。
「ん、ふふ。好きだよ、のん」
「俺も。はよタピオカ行こうや」
手を繋いで門を抜けてく2人の背中を見つめて、服をくしゃりと握りしめる。
私を利用したくせに違う男を好きと言う元友達に腹が立つのもそうだけど、第一に、
あの光景を見て、苦しい自分がいた。
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ぽてとふらい。(プロフ) - ぽむりんこむさん» ふあ…ぽむちゃん!!久しぶりやんー!!めっちゃ頑張ってここまで来たよ…!そして私も好き… (2019年10月14日 10時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
ぽむりんこむ - ぽてちゃっ…え?見ないうちに成長しちゃってなに…?すき…。 (2019年10月13日 17時) (レス) id: 77570be88d (このIDを非表示/違反報告)
JW&SM#0218 - 初めまして!でもない笑覚えてるかな?しげつぐ。が誕プレスマホにしたってやつ。無事買ってもらった!からコメントしとんのやけど笑完結おめでとう。遅くなってごめん。更新お疲れ様!新作のコメ欄でもお邪魔するね♪((((((( (2019年10月5日 13時) (レス) id: ae5670ace5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - まさなさん» そうですか…?駄作ばかりですよ…(^^;;)でも褒めてくださりありがとうございます…!頑張ります! (2019年9月27日 22時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
まさな(プロフ) - ぽてとふらい。さんはいつも傑作で羨ましいです……笑 頑張って下さい!! (2019年9月27日 16時) (レス) id: 709458c7d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽてとふらい。 | 作成日時:2019年8月27日 0時