25.胸がきゅって ページ25
*
次の日になると、いつも通り待ってる小瀧。
駆け寄って挨拶すると、どこか素っ気ない"おはよう"が返ってくる。
『……昨日、部活間に合った?』
「ギリギリ。先輩には遅いって怒られたけどな」
『だろうね。結構遅かったし』
「瀬良のせいや」
『小瀧のせいでしょ』
なぜか罪を擦り付けながら歩いていくと、昨日同様、流星くんが後ろから来る。
でも少し変わって、小瀧の背中に突撃。
痛てぇって怒られたのは言うまでもないけど。
そして、一本道を少し歩けば、昨日同様、黒髪くんが立っていて。
私は昨日から学んだ、無理やり近づかないを心に刻ませながらゆっくり歩いていくと、
ふわりと私に向けて笑った。
「はよ、しげ」
「おはよぉしげぇ」
『おは、っ、おはよう……!』
2人に混ざって挨拶すると、黒髪くんはどこか恥ずかしそうに私から顔を逸らし、"おはよう"っと挨拶をした。
まぁ、その挨拶、きっと私に向けてじゃないんだろうけど。
流星くんはどこか勘がいいのか、黒髪くんのことが好きすぎるのか、"2人なんかあったん?"って私と黒髪くんを交互に見てニヤニヤ。
「なっ、なんもないから!はよ行くで、3人とも」
見上げた黒髪くんの顔は真っ赤で、黒髪くんの言葉に私がいるのが嬉しくて。
ストロベリーの香りと、幸せに浸りながら"えへへ"って笑う。
まずは黒髪くんに認識された。
いや、でも昨日話したから認識されてた?
いや、前ならこんな進展ありえなかった!
『えへ、えへへ、えへへへへ』
「キモイで瀬良」
『なっ、キモイとは失礼な。小瀧だってボンキュッボンの女の子見て鼻の下伸ばしてるくせに』
「瀬良の前でいつそんなことした?言ってみぃ?」
『さあね、想像だよ!』
「尚更きもいわ!!」
"やっぱり今日も騒がしい"
片方イヤホンして迷惑そうな顔するのかと思えば、微笑ましそうにこっちを見てる黒髪くん。
『えっ、あ……』
「ん、どうした?」
『いや、なんでもない』
胸がきゅっとしたなんて、気のせいだよね。
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ぽてとふらい。(プロフ) - ちぃのすけさん» コメントありがとうございます!1番…!その言葉だけでもう本当に嬉しいです…!これからも沢山お話を届けられるよう、めっちゃ頑張ります!次回作もよろしくお願いします! (2019年8月26日 22時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - 凜憧さん» ありがとうー!なんかこれ書く前にこんな感じの実際にあって…笑 書きたくなって書いちゃった。凜憧も大変な時期に入るだろうけど、無理しないでね。慌てなくても大丈夫だから。私も二学期から本気出すぞーっ!笑 (2019年8月26日 22時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
ちぃのすけ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!自分が今まで見たお話の中で一番大好きなお話でした。最後の重岡くんにめちゃめちゃキュンキュンしつつ、にやけを隠すのに必死でした(笑) こんなめちゃめちゃ素敵なお話に出会えて本当に良かったです。次回の新作楽しみにしてます! (2019年8月26日 19時) (レス) id: d270165aa7 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - 完結おめでとう!いつも以上に最後の言葉がグッときて、今、前向きになろうって少しずつ状況を変えてるときだったから余計に響いて、なんかもう泣きそうになった。毎回のようにぽてには元気をもらってるし、勇気をもらってる。すごいなって改めて思った。更新お疲れ様! (2019年8月26日 19時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - しげつぐ。さん» そう?なんか、伝えたいことたくさんでごちゃごちゃになってしまったけど…ちゃんと私の言葉、届いてたのならよかった。うん!新作もまた頑張るね! (2019年8月26日 1時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽてとふらい。 | 作成日時:2019年8月7日 10時