41.告白 S.side ページ41
＊
「告白した？！」
「おん」
いつもなら寄ってくる瀬良さんが寄ってこない。
その違和感は、俺も流星もあった。
でも最近会ってなかった分、そんなこともあるのかな……って俺の中では丸く収めてた矢先。
瀬良さんがいなくなったあと、小瀧は"瀬良さんに告白した"っと頭を掻きながら伝えてきた。
「それをまたなんで俺らに……？」
「一応伝えとこうと思って。特にしげ」
『……俺？何で？』
「なんとなく。お前には伝えとこ、思って」
なんの理由かは分からない。
けど、小瀧はただ真っ直ぐそう言った。
『……意味わからへん。帰るで、流星』
「あーせやな、瀬良ちゃんもおらんし……ちなみに瀬良ちゃんってメイド服着るん？」
「残念ながら着ないんやって」
「そっかあ……瀬良ちゃんのメイド姿、楽しみやったのになあ」
ガッカリしながら小瀧に手を振り、1組を出る。
騒がしい廊下は、文化祭間近が強く感じられた。
呑気に廊下を走り回る人や、なにかを手に持って走る人。
大変そうやなあ、って横目で見つめてると、"瀬良ちゃんの様子おかしかったね"って後頭部で手を重ねた流星。
『……せやな』
「何でやろ？」
『……さあ、興味無い』
"相変わらず冷た〜"ってケラケラ笑う。
5組につくと、すぐスタッフの仕事へ向かう流星。
それを確認して、俺も完成された舞台へ向かった。
……ほんまは興味無いわけじゃない。
少し、いや、結構気になってる。
何でいつもみたいに来なかったんやろう、って、色々考えるけど心当たりはなくて。
まさか、俺があまりに避けるから推しとかなんとか諦めてもうた？
瀬良さんに限ってそんな、とは思ったけど、ありえなくもない話。
ああ……何でやろ。
ただ、少し、避けられただけなのに。
寂しいって思ってしまうのは。
「あ、重岡くん！」
『あ、あぁ、佐藤さん』
「セリフ合わせしません？私、ここ苦手で……手伝ってほしいんです！」
『……ええよ』
少しでええ。
少しだけ、いつもみたいに瀬良さんから話しかけられたい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 878人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽてとふらい。(プロフ) - ちぃのすけさん» コメントありがとうございます！1番…！その言葉だけでもう本当に嬉しいです…！これからも沢山お話を届けられるよう、めっちゃ頑張ります！次回作もよろしくお願いします！ (2019年8月26日 22時) (
レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - 凜憧さん» ありがとうー！なんかこれ書く前にこんな感じの実際にあって…笑 書きたくなって書いちゃった。凜憧も大変な時期に入るだろうけど、無理しないでね。慌てなくても大丈夫だから。私も二学期から本気出すぞーっ！笑 (2019年8月26日 22時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
ちぃのすけ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!自分が今まで見たお話の中で一番大好きなお話でした。最後の重岡くんにめちゃめちゃキュンキュンしつつ、にやけを隠すのに必死でした(笑) こんなめちゃめちゃ素敵なお話に出会えて本当に良かったです。次回の新作楽しみにしてます！ (2019年8月26日 19時) (レス) id: d270165aa7 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - 完結おめでとう！いつも以上に最後の言葉がグッときて、今、前向きになろうって少しずつ状況を変えてるときだったから余計に響いて、なんかもう泣きそうになった。毎回のようにぽてには元気をもらってるし、勇気をもらってる。すごいなって改めて思った。更新お疲れ様！ (2019年8月26日 19時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - しげつぐ。さん» そう？なんか、伝えたいことたくさんでごちゃごちゃになってしまったけど…ちゃんと私の言葉、届いてたのならよかった。うん！新作もまた頑張るね！ (2019年8月26日 1時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽてとふらい。
| 作成日時：2019年8月7日 10時
