7.クレープ屋 ページ7
*
落書きもプリクラの印刷も終わったあと、クレープ屋に向かった。
そこはずっと行きたくて、でも行けなかった場所。
望と2人で行けたらなぁって思いながら、誘うのは恥ずかしくて言えなかった場所。
『わっ、案外たくさん種類ある……』
「迷うな、これ」
望も甘いものは嫌いじゃないはず。
だから、デートのプランに入れた。
案の定、望はメニューをじっとみながら迷ってて。
楽しんでくれてるなぁ、ってふと思いながら、私もメニューと睨めっこ。
『チョコといちご……どっちにしよう』
「ん、チョコといちご?」
『そう……どっちも美味しそうじゃない?』
「せやなあ……じゃあ、俺いちご頼もうか?」
『え?』
"俺もちょうどいちごのチョコで迷っててん"
ふんわり笑いながら、"2人で食べようや"って言ってくれる望はやっぱり優しくて。
私は"うん"っと、無意識に頷いていた。
__
「こちらいちごとチョコになります!」
『あ、ありがとうございます……!』
チョコは私、いちごは望が受け取ると、1口ぱくりと頬張って交換こ。
"やっぱりチョコもうまいな"って、さらりと私の口元についたチョコを拭って舐めるもんだから、"ばかっ"って顔を背ける。
「次はどこ行くん?」
『次は……』
そろそろデートプランも終わりが近づいてきていた。
時間は、早いことでもう5時。
『遅くなるとダメだから、もう帰ろっか?』
「せやな、帰ろか」
一瞬悲しそうな顔をしたけど、私の中で、この帰りが1番重要で。
1番、望に喜んでほしくて。
たくさんの勇気を振り絞る。
たくさんの恥ずかしさを捨てて言う。
望に伝えるために、望に届くように。
『手、繋ぎたい』
ぶら下がる望の左手に、自ら繋ぐことはまだ無理だけど、いつかは出来たらいいなって。
そう願いながら、俯く。
「ほんまに可愛ええ……ん、ほら、」
『っ、ふふ、ありがとう』
重ねた望の手は、やっぱり大きい。
そんな望の手が、私は、大好きだけど。
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ぽてとふらい。(プロフ) - 凜憧さん» んへへ 笑 私のつける題名って癖強いからなぁ 笑 気づいてくれてありがとう(*´ч ` *) そう言って貰えてくれしい!ありがとーう!! (2019年7月30日 11時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - 題名を見てぽての作品って分かった私を褒めてほしい…笑 番外編めっちゃ良かったよ! (2019年7月30日 10時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽてとふらい。 | 作成日時:2019年7月30日 0時