たまには外での青春もありなんじゃない？

5.デート当日 ページ5

＊





"『小瀧望様。7月30日にデートしましょう』"




私なりの、精一杯のメールだった。

私から、なんて初めてだからどう言っていいのかわからなくて。


送ったあと、なんだこれって死にたくなった。





でも望は、そんな私を察してくれたのか

"「キャラ崩壊してへん？笑 まぁええわ、何時から？」"

と、優しく包み込んでくれた。






『緊張しすぎてお腹痛い……』






そして当日。

30日。


10時に駅前、と約束して、9時半には着いてしまった。

楽しみすぎて、自分が遅れたらどうしよう、という不安もある。



駅前で待つこと、きっとワクワクするんだろうなって前日は思ってたけど、そんなことはなくて。

緊張でお腹痛くなって、本当にこれでいいのかと禁止されたマイナス発言が出てしまいそうになる。



一応重岡くんからは、"「精一杯お祝いしてこい」"っと応援メッセージが届いてる。






「あ、A！」






9時40分。

後ろから私の声が聞こえたかと思えば、いきなり手を重ねてニコって笑う望。






『おは、っ、おはよ……！』


「おはよ。来るの遅くてごめんな？」


『ううん……、私が早く来すぎただけだから。望は悪くない』


「そっか。んじゃあ、行く？」






すんなり繋がれた手も、悔しくて。

本当は私から……と計画してたのに。



まぁ、いいや。

ここから巻き返そう！






「まずはどこから行くん？」


『最近出来たショッピングモール！』


「あぁ、そういえばそんなチラシみたなぁ……」


『うん！望と、行きたくて』


「……可愛ええ」






望のその一言さえも恥ずかしくて、みるみる耳が暑くなっていくのがわかる。

それをみて望はまた、"可愛ええ"って呟くの。






『可愛い禁止』


「え、それは生き地獄」


『どこが？』


「可愛ええって伝えられへんことに苦しみ感じる」


『死にはしないから安心して』


「ん、安心する」

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