たまには外での青春もありなんじゃない？

3.マイナス発言禁止 ページ3

＊





「で、今度は俺を呼び出したと？」


『……はい』


「てか何で小瀧おるん」


「愛しい彼女と2人っきりとか、許せへん。しげのことやから、絶対Aに手出すやろ」


「生憎、人の彼女には興味無いねん」






結局、

電話じゃすぐに切られるので、理由をつけて重岡くんを呼び出した。


重岡くんの隣に座る小瀧望とかいう大根は無視して、話を進めていく。



"よく本人の前で話せるな……"っと呆れた顔をしながらも、聞いてくれるとこやっぱり優しい。






「いい案は見つかったん？」


『見つかるわけない。沢山考えたけど、無理……頭パンクしそう』


「って、ほんまによく普通に話せるな？」


『ねぇ重岡くん、私はどうすればいい？望が喜んで貰えるようなこと、私に出来ないよ……』






届いたケーキを頬張りながら、重岡くんに問うと、

"じゃあ、今からそのマイナス発言禁止な？"っと少し口元がニヤッとした。






「マイナス発言した場合、小瀧、いつでも瀬良さんのこと襲ってええで」


「え、ほんま？」


『は？待って重岡、殺されたいの？もしくは海に行って溺死されたいの？ねぇ、答えて？』


「あのなぁ、マイナス発言したまま祝っても、なんも嬉しないで？喜んでもらえないし、台無しになるで？ええの？」






重岡くんの言ってることは正しい……。

マイナス発言をしてれば、自分に自信はなくなるし、何をしてもいいと思えない。


それに、マイナス発言は相手にも伝染する。


……ここは、重岡くんの言うことに従うしかないな！






『……わかったけど、襲うのはやめて。こいつスイッチ入るとうざい』


「それ彼氏の前で言うことなん？なぁ、A？」


「わかったわかった、ならキスぐらいでええよ」


『それも嫌だけど、まぁ、襲われるよりいっか』


「2人してひどない？」






こうして、私と重岡くんの、"小瀧望、誕生日祝い計画"が始まったのである。

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