7.diary ページ7
＊
さようなら。
そう一斉に声が揃って響けば、みんなはぞろぞろと教室を出ていく。
私も鞄を持って、ちらりと大毅の方を見てみれば、一瞬だけ目があって逸らされる。
『あ、……』
「……」
じゃあ、と言う暇もなく私の横を通り過ぎた大毅。
ちょっぴり吹いたその風に、寂しさを覚える。
少しその場で立っていると、ぽんっと後ろから頭に手を置かれる。
振り返ってみれば、"なんか怒らせたやろ"と遠くを見つめていた流星がいた。
『身に覚えはない』
「そんな強がって、絶対引っかかってるくせに」
『……何で、そんな、気づくの』
"なんで、か"
掠れた声で、はは、っと笑うと
"何でやろな"と今度は私の目の前に立つ。
『……なに、っ』
「お前のことが好きやから？」
『……は？』
いつの間にか背中に回されてた流星の長い腕で体が引き寄せられ、顔が近くなる。
流星の言葉に、嘘はなさそう。
でも、どこか私を試してる感じ。
『なに、言って、』
「本気にした？」
『……っ、そんな、わけ』
「顔赤いで？」
『気のせいでしょ！！』
ば、っと顔を逸らして、緩くなった力の隙を狙って離れる。
運がいいことに、周りに人はいない。
大毅も……大丈夫、帰ったはず。
「……はは、冗談冗談」
周りをキョロキョロみて確認してる最中、流星はそんな私を見て吹き出す。
お腹を抱えて笑う流星を見て、本気でからかったんだと腹が立つ。
「そない怒らんといてや？元々、素直になれへんAが悪いんやから」
『どういうこと、』
「しげ、寂しそうやったやろ？Aも気難しそうな顔しとる。お互い言いたいこと我慢して、結局は後に爆発するのに……アホやなぁお前らは」
アホなんて、失礼だ。
私だって、悩んでる。
大毅も……我慢してる。
だから尚更ダメなの、私が我儘を言っては。
我慢すること、素直にならないことが我儘だとはわかったけれど、無理なの。
大毅は初めての彼氏で、初めて大好きになって、離れてほしくない存在だからこそ、どこか距離を置いちゃう。
「ばぁか、はよしげのとこ行ってこいや」
ぽんっと今度は背中を押される。
え？って顔をすれば、"どうせしげ、下駄箱で待ってると思うで？"なんてにやにや。
『………ごめん』
「謝らんといて、なんも悪ないから」
『……ありがとう』
「その素直さ、しげに使ってやってや？」
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ぽてとふらい。(プロフ) - 凜憧さん» ありがとう…！嬉しい！なかなかそっち更新できなくてごめんよ…ちょっとずつ頑張るからね！本当にありがと！ (2019年5月27日 17時) (
レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - 新作おめでとう！神ちゃんの方コメントできなくてごめんね、でも見てるよ！「キスの日」も「条件付き結婚しませんか？」も面白かった！条件付き結婚の方の更新楽しみにしてるね。完結お疲れ様！！ (2019年5月25日 17時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽてとふらい。
| 作成日時：2019年5月24日 23時
