9.神山家 ページ9
＊
暗い夜道を走っていけば、1箇所光る大きな建物。
そこは、何度か来たことがあった神山さんの住んでるマンションだった。
まさか、神山さんを迎えに来る以外で来てしまうなんて……想像もしてなかった。
「ほれ、着いたで」
まぁ無駄に広い駐車場に車を止め、慣れた感じで近くのエレベーターまで歩いていく。
不安になって、神山さんの袖をちょっと掴みながら歩くと、"何してんねん"っと振り払われた。
優しくない……。漫画とかでは袖掴むの、男子はきゅんってするもんじゃないの？
別に、そんなん狙ってやったわけじゃないけど。
それでもなんやかんや、やや高めのヒールを履く私の歩くスピードに合わせながら、神山さんの住んでる所であろうドアの前まできた。
「今日からここが家な」
"合鍵は作っといてる"
そう言って、鍵を開けて扉を開いた神山さんに、はい、と頷く。
……の、あと、すぐに疑問が浮かんだ。
"合鍵は作っている？"
『ちょっ待ってください神山さん！！』
「ん、なんや？入らんの？」
『いや、違くて……合鍵は作っておいてるって、……まるで条件付き結婚すること知ってたような…』
"はは、"
掠れた笑いが玄関に響くと、軽く振り向いて、私をじっと捉える。
その黒い瞳から視線が外せなくて、ふ、っと笑みが消えた神山さんに、背中がぞくりとする。
「……まっ、結果的にお互いのためになったんやし、気にせんでおこや？」
な？、っと同意求められるけど、さっきみたいに素直には頷けない。
というか、初めて神山さんに怖いという感情を持った気がする。
どきどき、と嫌な心臓の音が鳴る。
そんな私のこともお構い無しに、"そんな怖がらんでや"と、さっきとは別のふわりとした笑顔に戻った。
「結婚したんやし、俺に怯えてたらやっていけへんで？」
それも、そうだ。
……神山さんはどこか闇がありそうだけど、気にしなければいい話か。
結局は、お互いどちらかに好きな人ができれば別れるんだから。
好きな人……か。
現れるのか心配になるけど、今はそれより神山さんとの暮らしについて悩もう。
自分のことは、いろいろ落ち着いてから……かな。
『私の荷物、どうしましょ』
「休みの日にでも取りに行ったらええんちゃう？俺もその時は手伝うわ」
『助かります』
こうして、神山家で同棲が始まったのである。
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ぽてとふらい。(プロフ) - しげつぐ。さん» ありがとう！！うーん、私もそんな感じ 笑 仲いい子以外は苦手だし…笑 まぁ人それぞれだから、大丈夫。 (2019年6月29日 23時) (
レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
流智LOVE - ありがとうございます。自分の言葉で助けてみようと思います！ぽてとふらい。さん本当にありがとうございます！ (2019年6月29日 15時) (レス) id: db4b56f1e4 (このIDを非表示/違反報告)
しげつぐ。 - ただの人見知りかもしれんけど笑でも、中学まだ行ったことないから気持ちが分からんけど、、、更新お疲れ様！新作も楽しみにしとるよ！ (2019年6月28日 15時) (レス) id: de4b714db2 (このIDを非表示/違反報告)
しげつぐ。 - 完結おめでとう！！最後のあとがきやっぱいい言葉やなって思った。本間に。陰キャやけど、ちょっと他の人と違うと思う。確かにめっちゃ喋らんし、静かやけどそれなりに友達おるし、それなりに話かけられるけど、自分から話しかけたりせえへんから。続き↑ (2019年6月28日 15時) (レス) id: de4b714db2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - れんさん» コメントありがとうございます！応援もありがとうございます！！まだまだ私らしい言葉を届けられるよう、頑張りますね！ (2019年6月27日 23時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽてとふらい。
| 作成日時：2019年5月13日 22時
