条件付き結婚しませんか？

27.信頼の証 ページ27

＊




ラジオ局につき、後部座席で爆睡中の神山さんを起こす。

目を擦りながら"起きた"と言う神山さんの1言は、何気に可愛い。





『はい、起きましたね。一緒に収録室まで行きましょ？』


「ん、」





寝起きの神山さんは、不機嫌だったり不機嫌じゃなかったり。

不機嫌な時は自分が上手くいかない時。

ただ眠いだけの時は、疲れた時。


神山さんってなんやかんやわかりやすかったりする。





「今日……誰とやっけ？」


『確か桐山さんだと思いますけど……』


「照史か……なら大丈夫や」


『メンバーによって大丈夫とかじゃないとかあるんですね……』


「まぁ、しげだったら寝起きはきついやろ？やから、気合い入れはするけど……照史やったらうまくまとめてくれるから」


『あ〜、まぁ、桐山さん自身、進行とか得意ですもんね』





"そっ、割と助かってんねん"

にぱ、っと笑うけど、それ実際、自分がやりたくないだけでは……？


ラジオの収録は、マネージャーの仕事がない限り見させてもらってるけど、桐山さんと神山さんのペアの時は神山さんが自由だし。

まぁそれは、信頼してる証拠なのかな。






「でも照史、まだ雑誌の仕事終わってへんよな？」


『いや、もう収録室には着いたみたいですよ？……ほら』





桐山さんのマネージャーさんから"着いた"のメールを見せると、"早いなぁ"と苦笑いする神山さん。

"俺らの方が終わるの早かったのに"

そう言うけれど、なかなか私たち、重要なこと話し合ってて遅くなったような……。




まぁ、いっか。





『あと少しで始まるので、急ぎましょう！』


「ん〜、せやな、よしA、走ってきてや！」


『はい！！………ってなんで？』

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