条件付き結婚しませんか？

24.理解できない ページ24

＊





『いや、ちょっと待って……』


「なんなら、神ちゃんと俺と瀬良さん……一緒に住むとか」


『はっ！？』





はっ、と閃いたように笑いながら提案するけど、もう、理解が追いつかない。


まず神山さんとは私……現在同棲中だなんて……言えないっ！！

それなら真っ先に、どういうことだ、と疑われるはず。もう疑われてたけど。


いやでも神山さんの家に私がいるという形跡があるだけで終わりでしょ……同棲してるの？やっぱり付き合ってるの？……問い詰められるはず。





『まず藤井さん、落ち着こう？私まだマネージャーやると返事したわけでは……』


「断る理由なんてないやろ？それなら決定でええやん」


『待って、その考えにたどり着いた経緯は？』


「ん〜、わからん。適当？」





適当でなぜ私がマネージャーやるという結果になったんだ……！！

やっぱりこの爆弾的な天然さは手に負えない……よくもまぁメンバーさんはこの爆弾を野放しにしておけるものだ……。






「とりあえず、神ちゃんに相談やな？俺的には神ちゃんの家に住む、が1番ええと思ったけど……」


『本当に私が藤井さんのマネージャーやる方向なんですね……』


「あったりまえやろ！」


『ほぼ拒否権なしかぁあ……』





今カメラの前で、笑顔振り向きながら撮影する神山さんは知りもしないだろうな。


私が藤井さんのマネージャーをやることになり、掛け持ち状態になること。

私の負担を減らすためなのか、神山さんの家に住むこと。

そして、同棲がバレる寸前だということ。



あぁ、神山さんになんていわれるんだろう。



何で止めなかった、とか？

ごたごたに巻き込むな、とか？

私の中の理想の神山さんでは、受け入れてくれる……とまでは行かないけど、優しく断ってくれたらなぁ……。



まあ、ありえなさそうだけど。






「神ちゃんが撮影終わったらすぐ話そ？」


『地獄の時間の始まりですね、わかりました……』

25.案外サラリと→←23.掛け持ちお願いします

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す