条件付き結婚しませんか？

3.何やかんや結婚成立 ページ3

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まぁ、何やかんやあり……というか、ほとんど神山さんによる理不尽な理由で言いくるめられ、半ば強制に結婚へ。

結婚話から雑誌の撮影が始まる、ということで、即マネージャーとタレントの関係に戻ってしまった。






「神山さん、次です！」


「あ、はい、行きます」





少し慌て気味に洋服を整えながら、ドアに向かって歩いていく神山さん。

いつもなら"今日も頑張ってくださいね"なんて言えるのに、今は多少気まずさあって言えない。


神山さんから目線を逸らして、分かりやすく鏡の方をじーっと見てると




"なあ、A"とぎこちなく私の下の名前が聞こえてきた。

声の方向へ勢いよく顔をずらせば、にこっと笑った神山さんが






「帰り、俺の車で帰るから、待っててな」





とだけ言い残し、急いで楽屋を出ていってしまった。






『俺の、車で、帰る？』






わけわかんない単語と、理解できない日本語で、もう頭がパンクしそう。


誰もいなくなった部屋に、しーんっとした静かな空気が流れる。

私は静かだろうがたとえ騒がしかろうが関係なく、その場にしゃがみこんで深い深いため息をついた。






『なんだあいつ。くそか、くそなのか。あいつのマネージャーやってきて早1年。こんなに腹が立ったのは初めてなんだけど……』






いつだって神山さんは

優しくて、お母さんで、世界の嫁で、気配りができて、誰にでも平等に扱っていて……。


ファンの間でも、誰からも愛されるような、そんな存在だったはずなのに。


いきなり結婚しようだ？

帰りは一緒だ？しかもそれイコール、同じ家？嘘でしょ？同居？この場合、なんて言うの？



同棲？居候？………あぁ、もうわかんない！！






『っ、たくあんのチビ！！！』






結局私の結婚条件は除外され、できることは叶えてやる、なんて上から目線で。

半ば強制に結婚おっけーしたし、頷かないといけないこの怖いオーラ？恐ろしい。


調べれば、昔、神山さんはジャックナイフだったとか。リンゴ丸ごと飲んでたとか。


いや、やばいでしょ。超人？何者？






『ああ……夢にまでみた理想の旦那様は……まさかあんなチビだったとは……』






将来はわからないものだな、っとつくづく感じてしまう。

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