33.枯れた合図 ページ33
＊
『もう、いいよ』
いきなり苦しくなった。
藤井くんのことを考えると、見れてた顔も見れなくなって、無意識にも1歩離れようとする。
藤井くんは、"えっ"ともらしたあとに、名残惜しく背中に回ってた腕を解いた。
「嫌、やった？やっぱりみんなの前やし……また、嫌な思いさせて……」
『違う』
それは、違う。
でも、わからない。
苦しくなったから離れた？
その、理由は？
……わからない。
嫌だったわけじゃない。
みんなの前でまた恥ずかしいな、なんてのじゃない。
冷やかされるから？勘違いさせちゃうから？
どれも、違う。
じゃあ、なんだ。
『とにかく……ごめっ…』
「何で、謝るん？」
『……っ、わからない、でも、謝らなきゃ、』
「瀬良さんはなんも、悪いことなんてしてへんよ？……なのに、何で？」
藤井くんから伸びてきた腕は、私の体に触れることなく崩れ落ちていく。
"あー、ははっ"と掠れた声で笑えば
"俺のせいかもな"と、なぜかそんなことを言い出した。
『藤井くんは、何も……！』
「全部俺のせいやって。ごめん、瀬良さんの気持ち考えず好きって言うて。丁寧に断ってるのに……俺、ウザすぎたよな」
『違くて……！』
「ええよ、ごめん。もう、言わんからさ」
"諦めるから"
その一言で顔を上げて、きちんと藤井くんの顔を見れば、今にも泣きそうに、つらそうな表情をしていた。
その顔は、今まで見てきた好きな人達とは全くの別物で。
なぜか、チクッと胸が痛んだ。
「ほんま、ごめんな、瀬良さん」
ハッキリと、まるで現実を私に突きつけるかのように。
もう一度そう言うと、廊下に向かって歩き出した藤井くん。
それを止めようとする神山に、"具合悪なって、保健室行きましたって伝えといて"と作った笑顔で廊下を右に曲がってった。
「A……」
『ごめん、神山、私だ。藤井くんは、悪くない……私が、悪い…』
ぶわっと歪んだ視界に、"今回だけやからな"と後頭部に手が回ってきて、神山の肩に顔を埋めた。
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ぽてとふらい。(プロフ) - 可愛川麗華さん» 返信遅れてしまって…すいません…。閲覧ありがとうございました！続編、同じ内容のもの作るの予定はないですが、また重岡くんの作品作ろうかなと考えてます！その時はまた覗きに来てくださると嬉しいです！ (2019年7月6日 13時) (
レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
可愛川麗華 - 全部読みました〜！私も良く「お前男やろ？」って聞かれるんですよ笑、でも流星君のアピールが凄いキュンときました!次は重岡君のツンツンした感じが見たいです！是非お願いいたします！_(._.)_ (2019年6月21日 19時) (レス) id: df8876591f (このIDを非表示/違反報告)
たぴおけ(プロフ) - ぽてとふらい。さん» もちろん全部読んでるわよ！ うへ(( 大事にされるのは嬉しいわ。 (2019年5月8日 19時) (レス) id: 3d88a52c90 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - 凜憧さん» ありがとう！！思ってること書いてるだけだよ、この時期、やっぱみんな同じで大変だと思うしさ。うん！楽しみにしてて(*´ｰ`*) (2019年5月8日 19時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - しげつぐ。さん» ありがとう~！そっか…私も小学三年生の時親友が外国行っちゃって…いなくなると、途端に苦しくなるよね。 うむ、また次回の作品も暇あれば覗いてってね(*´ｰ`*) (2019年5月8日 19時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽてとふらい。
| 作成日時：2019年4月1日 0時
