3.気まずさは ページ3
＊
2時間目後の休み時間に入る。
神山はいつも通り私の席まで来て、チョコを1個置く。
それを私は無言で受け取り、口の中へ入れた。
前で嬉しそうに、くふふ、っと笑う神山。
"なに？"っと目を合わせれば、"なんでもないよ"と神山もチョコを食べた。
「あ、神ちゃん！」
「……ん？あ、しげ、」
『っ…！！』
"しげ"って言葉で心臓が飛び跳ねる。
神山は一瞬苦い顔を見せながらも、1歩、2歩、と容赦なく近づいてくる重岡に笑顔を振りまいた。
私は悪い雰囲気を作らないよう、重岡がいる方向とは逆を向いて、伏せた。
「……神ちゃんさ、明日日直やんな？」
「あぁ、せやで？しげも？」
「おん、やから明日忘れてたら頭ぶっ叩いてなぁって伝えに」
「ははっ、その約束したら俺、容赦せーへんで？」
「訂正、優しく頼むわ」
笑いに包まれる神山と重岡の空気。
ああ、なんか、今は重岡の声さえも聞きたくない。
塞ぎたくなる耳を触りながら、なるべく自分の存在を消してると、"あ、A"と明るい声が私に向いた。
やめてやめてやめて…私に向けないで…！
「何やねん、素っ気ないなぁ。こっち向けやっ」
『っ、……！！』
重岡が回って私の顔が向いてる方に来て、に、っと惚れた笑顔を浮かばせる。
神山は"ちょ、しげ、"と私に気を使って止めるけど、重岡はお構い無し。
ぷにぷにと私のほっぺをつついては、独特な笑いを響かせた。
『………やめてよ、触んないで』
「前までは可愛らしく赤くなってたのに？っはは、ほら、それそれ〜」
『っ、もう、やめてって！！』
「異性として見れへんからって断っただけで、対応の変化やばいやろ。元に戻るって約束やん？」
ぐさ、っと刺さる弓矢。
重岡の気遣いの無さも、デリカシーの無さにも呆れるし、腹が立つけど
何より、こんな奴を好きになって告白してしまった自分に1番腹が立つ。
何度も何度も、告白したあと、断られたあと、それをネタにして広める男は何人といた。
その経験を、忘れていた。
「……しげ、それ以上やめたれや」
「何やねん、神ちゃんも本気になって。怖いで〜」
「…しげ」
『いいよ、もう、』
あまりにも低い神山の声に、相当怒ってることがわかる。
神山は友達想いだから、そういうの、気に入らないんだろうな。
"大丈夫だから"
嘘でも笑顔を浮かべて見せれば、強ばった顔もへにゃんと心配の顔になり、私の頭を撫でた。
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ぽてとふらい。(プロフ) - 可愛川麗華さん» 返信遅れてしまって…すいません…。閲覧ありがとうございました！続編、同じ内容のもの作るの予定はないですが、また重岡くんの作品作ろうかなと考えてます！その時はまた覗きに来てくださると嬉しいです！ (2019年7月6日 13時) (
レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
可愛川麗華 - 全部読みました〜！私も良く「お前男やろ？」って聞かれるんですよ笑、でも流星君のアピールが凄いキュンときました!次は重岡君のツンツンした感じが見たいです！是非お願いいたします！_(._.)_ (2019年6月21日 19時) (レス) id: df8876591f (このIDを非表示/違反報告)
たぴおけ(プロフ) - ぽてとふらい。さん» もちろん全部読んでるわよ！ うへ(( 大事にされるのは嬉しいわ。 (2019年5月8日 19時) (レス) id: 3d88a52c90 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - 凜憧さん» ありがとう！！思ってること書いてるだけだよ、この時期、やっぱみんな同じで大変だと思うしさ。うん！楽しみにしてて(*´ｰ`*) (2019年5月8日 19時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - しげつぐ。さん» ありがとう~！そっか…私も小学三年生の時親友が外国行っちゃって…いなくなると、途端に苦しくなるよね。 うむ、また次回の作品も暇あれば覗いてってね(*´ｰ`*) (2019年5月8日 19時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽてとふらい。
| 作成日時：2019年4月1日 0時
