異性として見れないと、よく言われます。

19.リフォームしたって ページ19

＊




ケーキ屋に着くと、速攻店に入っていく神山。

藤井くんは後ろを向いて、私たちと顔を見合わせながら、"なんか可愛いね"と笑い合う。


少し遅れて、神山に続いて店に入れば

店内でケーキが食べれるらしく、奥には机と椅子が何個も並べられていた。






『わぉ…綺麗』


「あ、ここに、リフォームしましたって書いてあるで」


『え！どこどこ？』






藤井くんの指さす方向に近寄って見てみれば、1枚の紙に、大きく、"リフォームしました"の文字が載っけられていた。


あぁ、それでこんなに綺麗なんだ。

その紙を見た後、ぐるっと一周見渡して、自分の中で納得。

私の後ろに立ってた藤井くんは、私の肩に手を置くと"ほら、神ちゃんもうケーキ決まったで"と、今度は神山を指さした。






『えっ…もう？お会計しなきゃ、てか私も選ばなきゃ』






"藤井くんは何にするの？"なんて、ケーキが並ぶ所に駆け寄って振り向けば

"俺？"と、困ったように頭をかいた。






『まず、藤井くんって甘いの好き？』


「まぁ…嫌いではない」


『……そっか、ならチーズケーキとかオススメだけど』


「………いや、」






私が指さした方を、ちらり、と見た後、すぐに逸らして真っ正面を見た。

藤井くんの目の前には真っ白なケーキにいちごが乗る、ショートケーキだった。







「俺、これ頼むから」


『……？ショートケーキ？』







藤井くんらしくない、っと言ったらおかしいけれど、そんなイメージはなさすぎてビックリした。

目を開かせる私に、"そない驚くこと？"軽く笑う。






『いや……意外だな、って…思っただけだよ』


「…ん、」






今度は照れくさそうに、雰囲気良さそうに、にこにこと笑う店員さんに、"ショートケーキ一個ください"と頼む藤井くん。

それに続けて私も、"チョコケーキひとつ下さい"指さしながら注文した。






「神ちゃんたち、もう席に座ってるで」


『どこにいる？……あ、本当だ』


「準備出来たら持ってきてくれる方式らしいから、俺らも向こうで待とうや」


『うん、そうしよっか』






顔見合わせて、ニコニコ。

藤井くんの笑顔はいつ見ても癒されるし、ふわりとしてて可愛いな、と心の中でふと思った。

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