9.褒めと才能 ページ9
＊
神山くんは、絵が凄く上手いらしい。
「神ちゃんの焼いたクッキー、めっちゃうまかったわ」
「はは、ほんま？ありがとう」
家庭科の授業も終わり、
無事教室に着いた神山くんの班と、私。
席に着くなり小瀧くんと重岡くんは
食べたクッキーを名残惜しそうにしていた。
……いいな、私も神山くんの焼いたクッキー
食べたかったな。
こういう時は男の特権というか……羨ましい。
「兄弟たちに作ってあげてるん？」
「たまーにやけどな。
でも、最近は忙しくて作ってへんかったから
上手くできるか不安やったわ」
「生徒会長を務めて、学年トップを維持する成績で
料理も絵も上手って……俺ら、一生勝てないやん」
「そんなことないって」
「てか、神ちゃん、絵うまかったんやな」
「それも人並みって所やで？」
くそ……いいな、私もあそこに混ざりたい。
私が男だったら、神山くんのこと
死ぬまで褒めちぎってあげるのにな……。
あわよくば、頭を撫でて……
……そこまで行くと、BL展開になってしまうか？
「妹の面倒みるとき、よく絵描くんよ。
多分そこで身についたんやと思う」
「環境恵まれすぎやろ、羨ましいわぁ」
「そんなことないって。
それに、しげものんちゃんも2人に限った話やないけど
ちゃんと皆、俺に無いもの持っとるから」
……私が、褒めちぎる以前に
神山くんの方が他人を褒める力が強いかもしれない。
どこまでも完璧な神山くんに
"自分の持ってないものをみんなは持ってる"
なんて言われたら
「……そ、そうかあ？」
「へへ、なんか、嬉しいわ」
照れるに決まってる。
「俺は皆についていくんが精一杯やねん
やから、これ以上才能伸ばさんといてや？」
「それはこっちのセリフやわ、神ちゃん。
日に日に才能が開花してって……」
「ほんまに。会った時より最強になっとるで」
「気のせいや、気のせい」
私なんて、どんなに努力しても
神山くんにとっては小さいホコリ程度のもので
踏み潰されて、気づかれたらゴミ箱行きの運命。
私の努力と、神山くんの才能と努力は
規模が全然違うから
尚更
"「ちゃんと皆、俺に無いもの持っとるから」"
という言葉が、
私に向けられたものでは無いけど、
嬉しかったりするのだ。
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そらジロー(プロフ) - 過去の作品から読ませていただきました。読んでて、ずっと読みやすい作品もありましたが、この神山くんの話はすこし、文の書き方などがスッキリしていない為、特に読みにくいなぁと思いました。学業との両立は大変ですが、応援してます。 (2021年11月3日 9時) (
レス) @page1 id: 614ab98b9f (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - ひなさん» コメントありがとうございます。何回も見てくださるなんて…とても嬉しいです！！最近、リアルがバタバタしてしまっているので更新が遅くなりますが、飽きずに最後まで見てくださると嬉しいです！ (2021年2月27日 0時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - とてもおもしろいです！何回も見ちゃってます。更新頑張ってください！応援してます (2021年2月26日 18時) (レス) id: 030ed8b055 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽてとふらい。
| 作成日時：2021年2月17日 0時
