8.料理と絵心 ページ8
＊
神山くんは、告白を断る時でさえイケメンらしい。
「神ちゃんって料理得意なん？」
「んー……まあ、人並みって所やな」
今日は家庭科の授業で、お菓子作り。
女子力の欠片もない私でも
お菓子作りは小さい頃からやってきたので
割と、自信はあるのだ。
「お菓子作りは久々って感じやけど……
失敗したらごめんな？」
「少なくとも、俺よりは上手いから平気やろ」
自由班だったため、勿論神山くんは
小瀧くんと、重岡くん、他2人の男子と組んでいた。
私はといえば
人数が足りないところへ適当に入れられたのだった。
そしてこれは珍しく
席が、近い。
「瀬良ちゃん」
同じ班の子に肩を突かれ、振り向く。
ニコニコとしてるその子は、
"お菓子作り、得意？"なんて聞いてくる。
『得意、だけど……』
「わ、ほんと？よかったぁ……
私含め全員、お菓子作りの経験が浅くて。
失敗確定してたから、安心したよ」
ぱっと笑顔になった班のみんなは
想像以上に、私に期待と責任を向けるのだった。
＊ ＊
神山くんは、お菓子作りが得意らしい？
「最後はチョコペンで仕上げましょう！」
今日の調理実習は、お菓子作り。
クッキーの型を焼いて、その後みんなでお絵描き。
残念ながら絵心がない私にとっては苦痛で
チョコペンを温めながら
深い深いため息が出そうだった。
そんな私とは反対で
神山くんの班は、妙に盛りあがっている。
「すげぇ神ちゃん！！」
「神山くん、絵上手だね！」
「可愛い〜！」
「ねぇねぇ神山くんっ、兎も描ける？」
「多分、描けるで」
男女の壁を越えて、群がるひとつの席。
なんだろう、とチョコペンをクルクルしながら
少し空いた隙間を覗く。
ちら、っと一瞬見えたのは
チョコペンでそれはそれは可愛らしく描かれた
クマや、猫、犬、パンダなどのクッキーが
お皿に並んでいた。
『……かわいい』
その可愛さは、心の声が無意識に漏れてしまうほど。
神山くん……絵も、上手だなんて
『非の打ち所がない……』
「何か言った？瀬良ちゃん」
『あっ、え？あぁ、な、何も！？』
神山くんの描く動物……もっと、見てみたいな。
あの群がる場所へ飛び込めたら
どんなに、幸せだろう。
完全に溶けきったチョコペンの先を切って
クッキーを見つめながら、ふと思った。
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そらジロー(プロフ) - 過去の作品から読ませていただきました。読んでて、ずっと読みやすい作品もありましたが、この神山くんの話はすこし、文の書き方などがスッキリしていない為、特に読みにくいなぁと思いました。学業との両立は大変ですが、応援してます。 (2021年11月3日 9時) (
レス) @page1 id: 614ab98b9f (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - ひなさん» コメントありがとうございます。何回も見てくださるなんて…とても嬉しいです！！最近、リアルがバタバタしてしまっているので更新が遅くなりますが、飽きずに最後まで見てくださると嬉しいです！ (2021年2月27日 0時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - とてもおもしろいです！何回も見ちゃってます。更新頑張ってください！応援してます (2021年2月26日 18時) (レス) id: 030ed8b055 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽてとふらい。
| 作成日時：2021年2月17日 0時
