32.後悔と尊い ページ32
*
神山くんに男装姿を見られてしまった。
『はあ……』
結局、当日に見られるから別に良くない?
と、思うかもしれない。
いや、思う人の方が多いのかもしれない。
違う、違うんだ。
やっぱりここは観察のプロ、影が薄いで有名であろう私の見せどころ
とことん影を薄めて神山くんの視界に入らないように過ごす予定
……だったのに。
神山くんは裏方、しかも同じシフトで表に出ることは無い
絶好のチャンスと言っても過言ではなかったのに。
ああ、どうしてくれるんだろう。
何で引き受けてしまったのだろう、男装なんか。
こういう時こそ率先してやるものじゃないの?
クラスの女たち……。
深い深いため息は、誰に聞こえるわけでもなく
吐き出されるのであった。
* *
神山くんは、私の男装をどう思っているのだろうか。
「あ、やっと見つけた!」
何分経ったのかはわからないが、
割と長い時間、屋上で縮こまっていると
控えめだが大きな音を立てて開くドアに、体が構える。
そういえば、私、男装してる……そう思った時には遅くて
見覚えのある女の子と目が会った瞬間、
"探したよ〜"なんて柔らかい声と共に私に微笑んだ。
「突然逃げたって言うから校内探し回ったんだよ?」
『……ごめんなさい』
「まあ、許してあげよう」
同じクラスの彼女はそう言うと、
"そういえば神山がめちゃめちゃ心配してたよ"なんて
付け加え、私の腕を掴んで引っ張っていく。
『え、神山くんが……?』
「うん、……あ、神山ならドア出た先に、」
そう言いながら屋上に繋がる階段の前で
俯きながら顔をしゅんとさせている神山くんが。
可愛すぎて思わず声を漏らすと
私に気づいた神山くんは、ぱ、っと顔を上げて目が合う。
私は男装していることすら忘れて
ひたすらに可愛い神山くんを1秒も逃さず脳内に焼き付ける。
「……瀬良、」
私呼ぶ声すら愛しく思えるこの頃
重症なのかもしれない。
「何か気に触ったのなら謝るから、」
"逃げないで"
初めて聞いた標準語は、可愛いの暴力すぎて
その場に座り込むほどだった。
神山智洋って、ああ、無限大だな。
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そらジロー(プロフ) - 過去の作品から読ませていただきました。読んでて、ずっと読みやすい作品もありましたが、この神山くんの話はすこし、文の書き方などがスッキリしていない為、特に読みにくいなぁと思いました。学業との両立は大変ですが、応援してます。 (2021年11月3日 9時) (レス) @page1 id: 614ab98b9f (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - ひなさん» コメントありがとうございます。何回も見てくださるなんて…とても嬉しいです!!最近、リアルがバタバタしてしまっているので更新が遅くなりますが、飽きずに最後まで見てくださると嬉しいです! (2021年2月27日 0時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - とてもおもしろいです!何回も見ちゃってます。更新頑張ってください!応援してます (2021年2月26日 18時) (レス) id: 030ed8b055 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽてとふらい。 | 作成日時:2021年2月17日 0時