27.怒りと謝罪 ページ27
＊
神山くんを観察するだけの日々が、私の日常である。
「ほらこれ、誰か読め」
少しずつ机に倒れていくみんなを見て
先生が面倒くさそうに私たちに振る。
"起きろ"の合図だろうけど、
睡魔が襲う今のみんなの耳に届くわけもなく
"しゃーないから神山、これ全部読んでくれへんか"
と神山くんへ全てを放り投げた。
「はい」
神山くんは小さく返事をすると
ひとつも嫌な顔せずその場に立ち上がる。
その立ち上がる瞬間
私は神山くんの後ろにいるはずなのに目が合って
その瞳には、怒りが見えた気がして鳥肌がたった。
え、何で目が合うの？
これまで合ったことなんて1度もないのに。
そして一瞬だけど見えた怒りは？
……まさか、
お礼や謝罪、あからさまに避けてることへの怒りが
あの一瞬にこもったとでも？
とにかく
怒っているだろう神山くんに鳥肌が立つほど
今すごく、これまでになく怯えている。
「………………以上です」
私が色々考えている間に読み終わって
椅子に座る神山くん。
わからない。わからないよ神山くん。
とりあえず馬鹿な私が理解しているのは
早急に謝らないといけないということだけだった。
＊ ＊
神山くんは怒らせてはいけないらしい。
『かっ、かか、かみやま、くん……！！』
古典の授業が終わり、お昼の時間に入った。
私は急いで準備をして
駆け足で神山くんの席に向かう。
神山くんは、ただ静かに私の方に体を向けると
"なにか？"
それだけ呟き、鋭い目線が私を突き刺す。
『……ど、土下座、した方がいいですか？』
その目線に耐えきれなくて
既に土下座の体制に入ろうとする私に
神山くんは耐えきれないと言わんばかりに
吹き出して笑う。
「ふ、っ、はは、一言目がそれかいな」
『だ、だって……』
「土下座はせんくてええよ。ただ、」
『あ、謝ります！全力で！！
あと、あ、あと……数学教えてくれたこと、お礼……』
「いちいち律儀やね」
"ただ謝罪も必要ないねん"
そう言い放った神山くんの言葉に頭が追いつかず
謝らなくてもいい？
お礼も言わなくていい？
じゃあ、私になにしろと？
まさか……死！？
ありえないような壮大な妄想が
脳内では起こっていたのだった。
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そらジロー(プロフ) - 過去の作品から読ませていただきました。読んでて、ずっと読みやすい作品もありましたが、この神山くんの話はすこし、文の書き方などがスッキリしていない為、特に読みにくいなぁと思いました。学業との両立は大変ですが、応援してます。 (2021年11月3日 9時) (
レス) @page1 id: 614ab98b9f (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - ひなさん» コメントありがとうございます。何回も見てくださるなんて…とても嬉しいです！！最近、リアルがバタバタしてしまっているので更新が遅くなりますが、飽きずに最後まで見てくださると嬉しいです！ (2021年2月27日 0時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - とてもおもしろいです！何回も見ちゃってます。更新頑張ってください！応援してます (2021年2月26日 18時) (レス) id: 030ed8b055 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽてとふらい。
| 作成日時：2021年2月17日 0時
