26.日常と交差 ページ26
＊
昨夜、神山くんに失礼なことを言ってしまった。
「瀬良、」
『……』
「あ、瀬良！」
『……』
それに続け、
教えてもらったお礼を言えていないことや
なぜか今は話したくない、会いたくないという
謎の気持ちが勝ってしまって
神山くんが呼んでくださっているのにも関わらず
ろくに返事もせず避けてしまっている。
「……瀬良」
『ご、ごめんなさい、トイレに……！！』
明らかに怒っているような感じの低い声。
ちゃんとは見てないけど顔も暗かったというか
険しい顔？悲しい顔？
どうしよう、何やってんだろう私。
女子トイレの一番奥に入り込み、鍵をかける。
誰もいないトイレでやっと出たため息は
疲れや緊張ではなく、
自分の呆れ具合に吐くため息だった。
謝れない、お礼も言えない、そんな女が
一丁前に憧れの人を避けるなんて。
『……馬鹿じゃん』
神山くんだってそりゃ怒るに決まってる。
何が原因で避けられているのかわからないんだから。
一生懸命話を聞こうと、名前を呼んでくれてるのに
……ああ、本当に馬鹿だ。
いっその事、誰か私を殺してくれ
そして来世で全てをやり直させてくれ。
できればもう少し高スペックに生まれ変わって
神山くんの隣にいても恥ずかしくないような女に……
そんな馬鹿げたことを考えていると
予鈴のチャイムが鳴り響いて
慌てて私は鍵を開けてトイレを出る。
勿論、神山くんが吸う空気に菌が混ざらないように
丁寧に手を洗い、新品のハンカチで拭く。
『次は……古典、か』
神山くんを眺められる絶好の時間、
それが古典の授業。
皆はだいたい眠くなって寝るか、格闘するかだけど
私は誰よりも真剣に先生の話を聞く神山くんを見るのが大好きなため、
寝るなんてそんな勿体ないことはするはずない。
『……いつもに戻るだけ』
神山くんが話しかけてくれる
神山くんが名前を呼んでくれる
神山くんが隣にいてくれる
そんな毎日を日常にするからバチが当たるんだ。
そう、私の"日常"は
神山くんをこっそり観察することなのだから。
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そらジロー(プロフ) - 過去の作品から読ませていただきました。読んでて、ずっと読みやすい作品もありましたが、この神山くんの話はすこし、文の書き方などがスッキリしていない為、特に読みにくいなぁと思いました。学業との両立は大変ですが、応援してます。 (2021年11月3日 9時) (
レス) @page1 id: 614ab98b9f (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - ひなさん» コメントありがとうございます。何回も見てくださるなんて…とても嬉しいです！！最近、リアルがバタバタしてしまっているので更新が遅くなりますが、飽きずに最後まで見てくださると嬉しいです！ (2021年2月27日 0時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - とてもおもしろいです！何回も見ちゃってます。更新頑張ってください！応援してます (2021年2月26日 18時) (レス) id: 030ed8b055 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽてとふらい。
| 作成日時：2021年2月17日 0時
