21.心配と「またね」 ページ21
*
神山くんの友達は、喧嘩するほど仲がいいらしい。
「ねね、瀬良ちゃん」
5時限目が始まった直後、
前の席のサヤカは私の方を向いてニコニコ。
『どうしたの?』
「お昼のアレ、
変なメンツやな〜って思って見てたけど
なに?なんかあったん?」
"お昼のアレ"
多分サヤカが指しているのは
神山くんと、なんの接点もくそもない私が
一緒にいたさっきのことだろう。
そりゃ不思議に思うよね……
生徒会長と影が薄いで有名であろう私だもん。
例えるなら、神様とアリ?
「珍しすぎて瀬良ちゃんとあの3人の誰かと
付き合ってるんやないかって話してたで?」
『はっ、え、は……っ!?』
神様とアリ……どんな感じだろう。
そんなふうにぽわぽわと考えていた脳内に
サヤカの声が響いてきて
理解するのに数秒はかかるはずだけど
理解より先に驚きが口から漏れていた。
『わた、わたし、私みたいなアリが……
かか、かみ、神様、と……?』
「神様?は、誰か知らんけど
そうやないと説明つかへんな〜って……」
『い、いやいや、いやいやいや!ないって!!
万が一もない!そ、そんなこと、そんな軽く……
言うものでは無いよ……おこがましい……!』
「……お、おう?」
"なんかごめんな?"
"うちの勘違いっぽいわ"
焦る私にどこで納得したのか
サヤカはそれ以上何も言わず、ただ黙って
前を向いていたのであった。
* *
万が一にも神山くんと付き合うなんて
失礼であり、おこがましくあり、ありえない事である。
「ほなさよーなら、瀬良ちゃん」
『あ、うん、またね』
そんなことを言い合いながら
クラスの友達はそそくさと教室を出ていく。
今日は神山くんのおかげと言っても過言ではなく
補習がないということで……
無事、時間通りに帰宅できるというパラダイス。
ウキウキしながら荷物をまとめて鞄を持つと
ちょうどこっちを向いた神山くんと
ばっちり、目が合う。
いつもなら咄嗟に逸らすはずなのに
昨日のこと、お昼のこともあってか逸らすのは
なぜか……付き合うより失礼な感じがして。
何か用があるわけでもなくただ見つめていると
「瀬良」
少しずつ近づいてくる神山くんに名前を呼ばれて
「またな」
微笑まれ、そう言われ、去っていく。
また……な……?
言葉の破壊力に圧倒されながら
誰もいなくなった教室で5分遅れて返事をするのだった。
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そらジロー(プロフ) - 過去の作品から読ませていただきました。読んでて、ずっと読みやすい作品もありましたが、この神山くんの話はすこし、文の書き方などがスッキリしていない為、特に読みにくいなぁと思いました。学業との両立は大変ですが、応援してます。 (2021年11月3日 9時) (レス) @page1 id: 614ab98b9f (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - ひなさん» コメントありがとうございます。何回も見てくださるなんて…とても嬉しいです!!最近、リアルがバタバタしてしまっているので更新が遅くなりますが、飽きずに最後まで見てくださると嬉しいです! (2021年2月27日 0時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - とてもおもしろいです!何回も見ちゃってます。更新頑張ってください!応援してます (2021年2月26日 18時) (レス) id: 030ed8b055 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽてとふらい。 | 作成日時:2021年2月17日 0時