家族 ページ12
あれから数日後、あさちゃんパパから連絡があって、会える日が決まった。
もっていく手土産や、心の準備をしていたら、あっという間にその日になった。
「なんか、緊張する、、」
森「今週ずっとそわそわしてたもんね」
「ねえ、あさちゃんの旦那さんってどんな人?」
森「優しい人だよ。俺も同じ部署だった時はよく相談とかしてたし」
「そうなんだ、」
森「あ、ここ」
「え、ここ?意外と...近いね、」
初めて見るあさちゃんたちの家を見上げ、少し、前の家と似てるな、なんて思っていたら、もう玄関の扉は開いていた。
平「いらっしゃい」
「お邪魔します」
朝「A....」
「あさちゃ」
あさちゃん、と言い終わる前に、強い力で抱きしめられた。
朝「よかった.....」
「っ」
家族に会えたような、今までずっと、何をしても埋められなかった心の隙間が、少しずつ埋まっていくような、
久しぶりの感覚で、怖くも感じてしまうような、
そんな安堵感に包まれた。
「ただいま」
それから家にあがり、桑原さんを紹介してもらった。琢磨に聞いていた通り、優しそうな人で安心した。それに、あさちゃんの旦那さんって感じ。
その後は、みんなでリビングに座り、たくさん話をした。職場の話や、震災後の話、最近のつぐみちゃんのことなんかも。途中であさちゃんパパが、私の小さい頃の話をしようとするから、全力で止めたり、それから、
朝「お母さんをね、探しに行ってるの」
一番伝えておきたかったことも。
朝「週末に、時間がある時は。お父さんと交代で行ってる。」
「そうなんだ。」
「なにか、分かった?」
朝「....なにも、」
「...何回もね、行こうとしたの、私も」
「でも、行こうとすると、足がすくんで、、」
平「A....」
「地震がきてね、親が迎えに来るまで、学校待機になったの。でも、いくら待ってもお母さん、来なかった。」
「すぐに近くの掲示板とか、避難所、とか
遺体、安置所とか、見に行った。」
「でも、どこにも、いなくて、、」
「お父さんの実家に預けられたあとも、電話、したり、したの、、でも、なにも見つかってませんって言われた。」
「.....なにも、、」
涙が溢れた。
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sakk(プロフ) - にこさん» 森本刑事の奮闘日記絶対かわいいだろうなぁ(他人事)いくつかシチュエーションは浮かぶんですけど、なかなかしっくり来るものがなくて、、でもいつかは絶対書きたい、、!!! (2021年5月16日 11時) (レス) id: 9d37f89f8e (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ほんとに琢磨が付き合うまでの奮闘日記が読みたいです笑 (2021年5月15日 14時) (レス) id: fb0a62bca5 (このIDを非表示/違反報告)
sakk(プロフ) - yycyttreさん» 遅くなってしまい本当にごめんなさい(泣)前後のストーリーももっと充実させたいけどとりあえずドラマの最終回を書きたい、!そんな思いから先走って予告を公開してみました笑 (2021年5月15日 1時) (レス) id: 9d37f89f8e (このIDを非表示/違反報告)
yycyttre(プロフ) - 久々の更新で上がったのに、めちゃくちゃ内容気になるじゃないですか!! (2021年5月14日 21時) (レス) id: e5d647a456 (このIDを非表示/違反報告)
sakk(プロフ) - 名無しの権平丸吉之助闐々輪丸さん» ありがとうございます!すごく嬉しいです!!最終回のお話ですよねもちろん書きますよ〜!今ちょうど下書き書いているところでした笑 楽しみにしててください! (2021年3月31日 23時) (レス) id: 9d37f89f8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りふぁ | 作成日時:2021年1月26日 1時