殴ったら惚れられた 2nd【宮侑】【角名倫太郎】

08 発覚 ページ10

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｢と、とりあえず行かなきゃっ｣

｢どこに？｣

｢角名君とこ！｣








気がつけば、私は練習しているであろう角名君の元に行こうとしていた。宮侑も後ろから追いかけてくる。



靴を履いて走っていると、途中の水飲み場でばったりと彼に会った





｢角名君.......！｣





周りには、誰も居ない







｢.......あ、なに？｣








角名君は洗った顔を拭きながら私を見る






心臓がバクバクしてきた

でも、伝えなきゃ








｢あのね、落ち着いて聞いて欲しいんだけどね｣

｢うん｣




角名君は落ち着いている。落ち着いていないのは私の方だ




｢.......すみれちゃん、角名君に嘘ついてるの
角名君のこと、騙してるの....っ角名君騙されてるの｣






言い終わった時も心臓のどくどくが収まらない
言ってしまった......ついに





角名君の、反応は..






｢はぁ｣







ため息だ



それが、どんな意味をもたらすのは分からないけど、ひとつだけ、いい意味じゃないのは分かる








｢信じてたのに。田中さん｣


｢え？｣


｢すみれの言ってた事、本当だったんだね｣


｢何が.......？｣







どういう事、頭が追いつかない

すみれちゃんの言ってたこと？なんだ、何か言ってたっけ.......







戸惑う私が角名君には、図星で焦っているように見えてしまったのか、あのさぁ、と強気で言われ肩が竦む



怒ってる....怒ってる角名君は、怖い







｢言いたいことあるんならさ、俺にはっきり言って。こそこそしないで｣


｢.......な、にが？｣


｢最近、すみれから相談受けてたんだ。田中さんが怖いって｣

｢はぁ？｣




そんな、そんなの知らない

第一怖いって何、私が何かしたの？実習の事？だってあれは、私が一方的にやったんじゃない.......







｢もちろん、俺は信じなかったよ。田中さんがそんなことする訳ないって｣



｢なら、｣






どうして、そんなに怖い目で私を見るの.......？

信じてなかったんでしょ...？





｢だけど、どういうつもり？侑引き連れてさ。二人は手を組んでたわけ？侑はキスしたと思ったら他の奴と付き合ったり、なんなのお前ら。二人いれば俺を騙せるとでも思った？｣


｢角名、何言って.....っ、すみれはお前のこと利用してるんやで！？｣



｢侑は黙ってろよ。つかなんでお前らはこんな時も2人でいるんだよ｣

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