殴ったら惚れられた 2nd【宮侑】【角名倫太郎】

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｢はぁ、どうしよう治.......｣

｢せやからはよ謝れゆーとるやんか｣






部活での休憩中、部室の壁に頭を預け、ネガティブオーラ全開の角名にイラつきながら答える

このやり取りは既に10回目くらい続いとる






｢もう無理、田中さんの顔見れない.....あんな、あんな事言って.....｣







どうでもいいがこいつはAちゃんが好きらしい


ただこの前ちょっといざこざが会って、その間に瞬くようにツムとAちゃんが付き合ったから、拗ねてまともに話せてないという



話せたとしても変に意識して傷つけてしまうらしい




そして今日、Aちゃんのいじめの元凶がこいつの幼なじみだと分かり、Aちゃんに酷いこと言ったから謝ると言うけど、かれこれ何時間と行動には移せていない弱虫角名






実は少し驚いた

女慣れしそうな角名に、こんな一面があったなんて






傍から見ればおもろいが、ずっと進みもしない相談受けてる見になればそろそろうんざりする







｢せやから、明日にでもさっさと謝れや｣


｢明日なんて長(ピロピロピロ







なんや、偉い古そうな着信音やなと思いつつ、
明日もきっと謝れないであろう弱虫角名の事を考えてため息をついていたら、その角名が血相を変えてこちらを向いた




角名が耳に当てているのはスマホじゃなくて、あのー、一昔に流行った.......あのー、






そう、ウィルコ｢田中さんが襲われてるって、男に｣





｢は.......？｣




｢おい侑！！田中さんが！｣







角名があそこまで慌てるのは初めて見た

なにかただ事じゃないのがわかる



俺は北さんにも同じく部室にいた先輩にも何も言わず角名に次いで体育館を飛び出す







｢は！？どういう事やねん！？｣

｢待って、警察.......治！｣

｢お、おん！｣







角名の気迫に驚きながらも、警察に電話





待って、なんて言えば.......







｢もしもし、どうかしまし｢友達が！友達が男に襲われてるんです！場所は.......｣







困っていたところを角名が俺のスマホをぶんどり代わりにに話した

手にもつウィルコムに、なにやら地図が表示されている








｢警察がっ、一旦のここまで迎えに来るから、そしたら｢アホか！！｣






ツムが角名の胸ぐらを掴む






｢警察なんて待ってられるか！この間にもAは！｣







叫ぶツムを、今度は角名が殴り飛ばす




何が何だか分からない状況に、心臓が痛くなる

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