殴ったら惚れられた 2nd【宮侑】【角名倫太郎】

34 終末 ページ36

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男が私のボタンをひとつずつ外していく








もうどうにもならないと悟った私は、せめて男の顔を見ないように目を瞑る






時間にも心にも余裕があるからか、男は息を荒らげゆっくりと時間をかけて私の体をまさぐっていく







そして、スカートのホックが外され下着に手が掛けられた時







｢なんや！？ぐはっ｣

｢おい、っはっ｣







気づけば男達の体は吹っ飛んでいた








何故なのか理由はわかった

目を血走らせて、拳が血で濡れている宮侑がそこにいた




そのまま相手が動かなくなるまで殴る宮侑。
血飛沫が飛び交う状況を飲み込めないでいると、泣きながら謝られた





｢すまん.......すまん！｣






なんで謝られるのかは分からなかった

宮侑は何も悪いことをしてないのに

だって、私はまだやられていない、汚れてないのに.......







｢守れなくてすまん！すまんA！｣

｢私は大丈夫、だから｣

｢すまん、すまん！俺のせいや！｣







どうして、そんな......なにも守れなかったように謝るの.......？







｢もう大丈夫や......！俺がいるから！｣






なんで、私はもう終わりなの....？


もう元には戻れないの？綺麗になれないの？






｢誰にも言わへんし、この先もずっと守るから、大丈夫やから｣






侑には、私が汚れて見えるの.......？






｢武器を捨てろ！｣
｢なんでや！？警察が！？｣
｢はやく捕まえろ！｣







もしかして、もう







｢A.......っ、ごめんな｣







幸せにはなれないの？









｢ごめんな、A.....！｣








お願いだから、もう謝らないで....








もっと惨めになる.......








｢いや.......｣








幸せに、してくれるんでしょ？







｢部活なんか行くんやなかった.......っ、一緒に帰ってれば.......！Aがこんな目に遭わずに....くそっ｣








ただ、普通に生きたいだけなのに








『あんたが生きてるから！私は不幸になる！』
『父さんにはもう、お前を助けてやれない......』
『うちは子供がいるし、引き取るのは厳しいわよ.....』
『施設に入れるしかないんじゃないか？』
『ぽっと出の他所者の癖に宮城に帰れ！』







どうして、こんなに.......








｢見ないで.......っ｣









上手く、いかないの？








｢見ないで！！｣








普通に、生きられないんだろう

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