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21 香り ページ23




「なんか今日、お前の匂いちゃう」





さらりと髪を掬い、スン。と嗅ぐ





「あ、香水変えたからかな.....変?」

「んん。好き」





香りは、び薬とも言うけれど本当かもしれない






「めっちゃ好き.....」






髪や頬、首筋

至る所にキスを落とす宮侑





「ちょっと、人来ちゃうから...」





がっしりと体を掴まれてる腕を離そうとしても離れなくて、まるで聞こえないように夢中になっている





「ねぇって」



「あーい」






強く言うと流石に落ち着いたものの、髪を梳く手は止まらない






「なぁ」



「なに」



「してええ?」



「だめ」





って言っても、多分聞かない

予想通り、宮侑は噛むようにキスをしてきた

貪る、という表現の方が正しいかもしれない





「柔らか」「かわい」「すき」




などの、途中で挟まれる言葉が恥ずかしすぎてまともに目を見れない






私が言うまで止めなくて、言ってもなかなか止めてくれなくて、

胸板を強く叩いたらやっと離れた





頭に顎を乗せられる





「.....なんでそんないっぱいするの」


「やって、1秒でも多く触りたいねん」


「きもい......」




宮侑の胸に顔を埋めると、へへっと嬉しそうな笑みを零す




「お前の大好きな校長かて若い頃はそうやで」






そして今もかもな。と一人で笑いだす



何笑ってんの.......







「俺かて戦ってるんやで」







そんな私の心を読んだように、口を尖らせながら反抗する宮侑






「ほんとはお前の事、今すぐだ....」





「.......?」







やべ、とどこか焦った顔をしながら黙り込まれる






「とにかくっ、はよ帰れ!」


「はぁ?あんたが離さなかったんでしょ!」



「う〜、寒なってきたな」







そういう彼の手や顔は、確かに冷たくなっていた







「ほら、風邪引くで。はよ入れ」






自分の方が風邪を引いてもおかしくないのに、私が家に完全に入るのを見届けるまで動かないつもりだ

心配だからって、立ったまま







「.........頭、ゴミ、ついてるよ」

「げ、ほんま?」







とって〜と宮侑は膝を曲げ、私と頭の高さを合わせる






「!」






その時私は一瞬、自分の唇を彼の頬に当てた

その目が大きく見開かれるのがわかる





「じゃあ」







そして、振り返らず家の中に入った







「は、はあああああああ!?
惚れてまうやろーーーーーー!!」







外から宮侑の叫び声が聞こえた

22 誘い→←20 糸



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陽愛 - 国見ちゃんサイドですね!嬉しいです(*^^*)あんなことってなんだろう?笑笑どうなるのか楽しみにしていますね( ^ω^ ) (2021年2月5日 13時) (レス) id: e876194da9 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - ピさん» ありがとうございます!国見ちゃんいいですよね!実は少しだけ国見ちゃんエピソードも用意しているので、読んで頂けたら嬉しいです! (2021年2月1日 0時) (レス) id: 4b3554dc38 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - まこさん» とても多くのお言葉ありがとうございます!私の方が感動してしまいました!こちらこそまこさんのコメントに毎度心を癒されています、この場を借りてお礼を言わせてください! (2021年2月1日 0時) (レス) id: 4b3554dc38 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 陽愛さん» 今回は侑君でしたね!角名君も出てきますので少々お待ちを! (2021年2月1日 0時) (レス) id: 4b3554dc38 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 善さん» こんな子が実際にいたら恐ろしいですよね… (2021年2月1日 0時) (レス) id: 4b3554dc38 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ツナ | 作成日時:2021年1月5日 15時

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