殴ったら惚れられた 2nd【宮侑】【角名倫太郎】

15 校長 ページ17

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｢遅いで！何してたん｣

｢だぁから、自販機だっつったよね？｣






急いで部室に向かうと、椅子に寝転がりながら怒ってくる


ね？と威圧感を出してみながら首を傾げると、そやった、なんて納得し始める宮侑。ちょろいぜ


そんな彼はぐーぐーぐー、と腹の虫がうるさく鳴っている



食べるの、待っててくれたんだ.....






｢先食べててよかったのに｣

｢嫌や。一緒に食べるん｣






やっとお昼にありつけて嬉しいらしく、






｢昨日な、サムの奴がな、炊いた飯全部食べてもーてめっちゃ怒られてん｣






いつもより上機嫌で、沢山話をしてくれる






｢ほんまあいつ胃袋おかしいねん。なのに全部太らんしムカつくからブタって呼んどるけど、呼んだら今度は睨んできて怖いねん｣


｢ふふっ、何それ笑｣






くだらない話につい笑ってしまう

ここ最近じゃ考えられなかった平和だ





｢.......何？｣






相変わらずくだらない話しに笑を零しつつ、お弁当を食べていると、気づけば宮侑がじっとこちらを見ていた





｢おもろい？｣

｢なにが｣

｢俺ん話｣

｢面白いけど.....？｣





面白いっていうか、くだらないっていうか





｢ほんま？ほなええわ｣

｢え？なんで？笑｣

｢お前が笑ってくれると、俺も嬉しなる｣

｢.......は｣





ポロ、とお箸から竹輪が落ちてしまう






｢やめてよ急に....｣

｢なんで？｣

｢ちょちょ、なんで近づくの！？｣






お弁当を置き、私の座ってる方へジリジリと近づいてくる







｢顔、赤くなってマスヨ？｣

｢なになになに怖い怖い｣

｢うるさ。少し黙れ｣







私が座りながらずり下がるも、背中は遂にロッカーへと当たってしまい、もう逃げられない







｢なぁ、なんでこんな赤いん？｣

｢あんたが近づくからでしょ....｣

｢近づくと赤くなるん？じゃあお前校長が近づいても赤くなるんか？｣

｢な、なる！校長好きだもん｣






追い詰められた瀬戸際でそう叫ぶと、は？と顔を一気に無に変える






｢あかん、あかんわアホ！なんで校長なんかに目移りするん！？｣






と思ったら、今度は私を抱きしめながら、5歳児のようにタダをこね始める





｢校長と俺、どっちが好きなん｣


｢言わない......｣





そんな彼に、つい意地悪したくなって黙りこくると、鼻と鼻がぶつかるくらいまで顔を近づけてきて






｢ふうん。俺に隠し事とはええ度胸やんな｣

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