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彼との幸せな時間 ページ47






バスの窓から眺める景色が、のどかな自然で埋めつくされる。
ガラス越しに見える風景は、どこか懐かしい気持ちになるような……隣の彼の言葉を借りるなら、トトロみてぇらしい。





『ねぇ凛、トトロってあのまっくろくろすけのやつ?』

「お前見たことねぇの?」

『うん』

「……ふーん」






繋がっている手に、ぎゅっと力が込められた。
彼は時々こうなる。私が他の子が味わってきたような体験をしてない事が分かると、身体の一部をどこか強く抱きしめるのだ。


俺がいるから大丈夫だって、きっと言ってくれてるんだと思う。








今日はお墓参りに来た。私の唯一の肉親であるお母さんの。

かつていたもう一人の片割れは、今や刑務所にお世話になっているらしい。ほんと、最後まで周りの人に迷惑をかけていた最低な人だ。







ジリジリと暑い日差しが私たちを突き刺す。日傘があるからとて、完璧に凌げるわけではない。こりゃ明日肌が赤くなるな……。





『凛、大丈夫?ちょっと休む?』

「俺は平気だ。それよりお前が大丈夫なのかよ」

『うん。私も平気』

「じゃあこのまま行くぞ。あともう少しだろ」





こっち歩け。と申し訳程度の日陰がある側を、私に歩かせてくれる凛。
いつもは不器用だけど、こういう時に垣間見える彼の優しさが私は好きだ。




凛とはブルーロックが終わる日、彼に告白されたのがきっかけで付き合うことになった。

あの時は凛がまさか私のことを好きだなんて夢にも思ってなかったから、とても驚いたけど





『あ、見えた』

「足、平気か?」

『うん』

「ならいい」





今はこうして、二人で一緒にいる。
……たまに、いや結構喧嘩もするけど。多分、それなりに上手くいってる。

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ごりらに憧れてます - ちょっと控えめに言って神です。語彙力めちゃ高ですし……小説家なれると思います。応援してます!!最高でした〜 (1月19日 7時) (レス) @page43 id: 930e13de40 (このIDを非表示/違反報告)
黎明(プロフ) - 話の構成が上手すぎて引き込まれました…!神作品を有難う御座います! (10月10日 13時) (レス) @page22 id: 96c5df6fb7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨、ときどき猫。 - 私、最後の「彼との幸せな〜」を呼んだ瞬間、大泣きしました。枕に顔うずめてたら親に笑われました(笑)本当に心が温かくなる話でした!これからも投稿頑張ってくださいね! (6月5日 21時) (レス) @page49 id: 5c49e2991a (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - すっごい泣きまた!本当に素晴らしい作品をありがとうございます! (5月21日 0時) (レス) @page49 id: e67944ae95 (このIDを非表示/違反報告)
ヒラコ - 素敵なお話をありがとうございました。ツナさんの暖かい気持ちに感動しました。生きることは決して楽しいこと、美しいことばかりではないけれども、それらはいつか糧となり実を結ぶのだと思います。私もいつか生きていて良かったと思える日が来るよう今を生きます。 (2023年4月2日 2時) (レス) @page49 id: 488b484064 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ツナ | 作成日時:2023年1月28日 16時

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