彼との幸せな朝 ページ44
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朝一番に視界に飛び込んできた時計に、ベッドの上だというのにも関わらずひっくり返りそうになった。
ね、寝坊した……！
とりあえず床に散らばっている服をかき集めて、未だ幸せそうに眠る隣の未生物を急いで叩き起す。
『誠士郎！起きて！寝坊した！』
「……んに…？」
『あーさ！誠士郎も今日一限からでしょ！？また遅刻したら今度こそ単位落とすよ！』
「うー……」
ようやく瞼を開けた彼氏を洗面所に放り込み、自分は簡単な朝食づくりと身支度に勤しんだ。
あーもうダメだ、今日はメイクしてる時間なんかないからとりあえず眉毛だけ書こう
焦りのせいかいつもよりグニャッた眉毛にテンションを下げつつ、スローモーションのようにゆっくりと朝ごはんを食べる誠士郎の前に座る。
『もう最悪…誠士郎のせいだからね』
「なんで？」
『なんでって、そりゃ』
そりゃあ、と口ごもる。
こちらをじっくりと見つめる彼の口角が少しばかり上がっているのに気がついたからだ。
『わかってるくせに……』
「うん。俺が昨日ハチャメチャに抱いたせいだよね」
『一々言わなくていいから…っ』
もう、ほんとにこの人ってやつは……
ぼく純粋無垢で無害ですよ〜なんてかわいい顔してるくせに中身は余裕で男だからこっちも脳みそがバグる。たく、詐欺だよ詐欺。
「うわ、零しちった」
『もー、この忙しい時に〜……！』
誠士郎が彼氏としてパーフェクトかと問われたら、正直首を捻る。(ごめんね)
ハイスペックだし滅多に怒らないし疲れてる時にはよしよしと癒しを与えてくれるけど、
しょっちゅう何か零すわ家事出来ないわ常にぼーっとしてるかゲームしてるわで負担がかからないと言ったら嘘になる。
でも、それでもこの人と一緒にいたいと思えるのは、やっぱり私は誠士郎のことが大好きだから。
「そうだ、今度の日曜空けといて」
『いいけど……なんで？』
「なんでって……A誕生日じゃん」
『あ、』
「また忘れたの…？まぁいいけど。せーだいにお祝いするつもりだから、楽しみにしててね」
『……別にいいのに』
「いーの。俺がやりたいの」
だって、何気ない日々がこんなにも幸せだから。
『ありがとう。嬉しい。大好き』
「……不意打ちヤダ。つか俺の方が好きだし」
＊＊
まだ続きます……！
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ごりらに憧れてます - ちょっと控えめに言って神です。語彙力めちゃ高ですし……小説家なれると思います。応援してます！！最高でした〜 (1月19日 7時) (
レス) @page43 id: 930e13de40 (このIDを非表示/違反報告)
黎明(プロフ) - 話の構成が上手すぎて引き込まれました…！神作品を有難う御座います！ (10月10日 13時) (レス) @page22 id: 96c5df6fb7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨、ときどき猫。 - 私、最後の「彼との幸せな〜」を呼んだ瞬間、大泣きしました。枕に顔うずめてたら親に笑われました（笑）本当に心が温かくなる話でした！これからも投稿頑張ってくださいね！ (6月5日 21時) (レス) @page49 id: 5c49e2991a (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - すっごい泣きまた！本当に素晴らしい作品をありがとうございます！ (5月21日 0時) (レス) @page49 id: e67944ae95 (このIDを非表示/違反報告)
ﾋﾗｺ - 素敵なお話をありがとうございました。ツナさんの暖かい気持ちに感動しました。生きることは決して楽しいこと、美しいことばかりではないけれども、それらはいつか糧となり実を結ぶのだと思います。私もいつか生きていて良かったと思える日が来るよう今を生きます。 (2023年4月2日 2時) (レス) @page49 id: 488b484064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ
| 作成日時：2023年1月28日 16時
