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『え……?』





写真は破られなかった。

曲がり角から出てきた叔父さんが、背後を許していたヒナの手から写真を抜き取ったから。






「中条ヒナ、今すぐここから出ていけ」

「……はっ?なんで、私が」






鼻で笑うヒナを、あろうことか叔父さんは彼女の胸ぐらを掴んだ。
細身な見た目からしてヒョロいと思っていたけど、少女一人を軽く持ち上げる力はあるらしい。





っていうか全然頭が追いつかないんだけど叔父さんはなんでここに……?どうして手帳のことを知って……?







「お前、まだ自分の置かれてる立場が分かってないのか?
お前がアイツの手帳を盗んだところはバッチリとカメラが捉えていた。更衣室から出た時、お前が手帳をポケットにしまわず手に持って眺めててくれたおかげでな」

「……っ」


「それに過去に売春を斡旋していたという証言も集めてある。今すぐお前を警察に突き出して豚箱にぶち込んでやってもいいんだぞ?」






状況というものはこんなにも一瞬でひっくり返るものなのかと、自分が中心になって起きた出来事のはずなのにまるで第三者目線で見てるような感覚に襲われる。

主観できないくらいの激動さだった。






いつもは帝襟さんをおちょくったりしてる癖に、今はまるで人が変わったかのように大人としてあらゆる方向からヒナを追い詰める叔父さん。


彼の登場により、ヒナが窮地に追い込まれているのは火を見るより明らかだった。


さっきまでは真っ赤だった顔が、今度は真っ青になっている。
人はピンチの局面に立たされた時顔色がコロコロ変わると聞いたけど、それが本当だということが彼女の失態の上に今成り立った。






「俺はその気になればいつでもお前を突き落とせる。もちろん社会的にだが……
お前みたいなガキが想像つかないような手で抹殺してやるよ」


「っ、な、なんなのよあんた!部外者のくせに入ってこないでよ!」


「部外者?」




ハッ、と叔父さんから笑みが零れる





「部外者じゃない。列記としたAの家族だ」

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ごりらに憧れてます - ちょっと控えめに言って神です。語彙力めちゃ高ですし……小説家なれると思います。応援してます!!最高でした〜 (1月19日 7時) (レス) @page43 id: 930e13de40 (このIDを非表示/違反報告)
黎明(プロフ) - 話の構成が上手すぎて引き込まれました…!神作品を有難う御座います! (10月10日 13時) (レス) @page22 id: 96c5df6fb7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨、ときどき猫。 - 私、最後の「彼との幸せな〜」を呼んだ瞬間、大泣きしました。枕に顔うずめてたら親に笑われました(笑)本当に心が温かくなる話でした!これからも投稿頑張ってくださいね! (6月5日 21時) (レス) @page49 id: 5c49e2991a (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - すっごい泣きまた!本当に素晴らしい作品をありがとうございます! (5月21日 0時) (レス) @page49 id: e67944ae95 (このIDを非表示/違反報告)
ヒラコ - 素敵なお話をありがとうございました。ツナさんの暖かい気持ちに感動しました。生きることは決して楽しいこと、美しいことばかりではないけれども、それらはいつか糧となり実を結ぶのだと思います。私もいつか生きていて良かったと思える日が来るよう今を生きます。 (2023年4月2日 2時) (レス) @page49 id: 488b484064 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ツナ | 作成日時:2023年1月28日 16時

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