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いや、え?はぁ?って言いたいのはこっちなんだけど……?



『だって千切くん言ってたじゃん……私が前、ヒナのこと好きなのって聞いたら、だったら?って』



忘れないよ。あんなに吐きそうになった瞬間はなかったから。




でしょ?と首を傾ければ、千切くんは思い出したように口を開いた。




「あれはっ…、あん時はただムキになってて……その、お前が本当のこと言ってくれなかったから」

『……え?』

「お前が何か抱えてるんだって、分かってたんだよ。でもこっちが何回揺さぶっても答えてくんねぇし……そんなに俺頼りないのかなって、信用されてないんだって自分にイラついてた。今思えばあんな態度取ってたんだから、近づいてもらえないのも当然だけど……」

『……ほぅ』






なんか、思ってたのと違うぞ……?
じゃああの時の私たちは、ただ意地を張り合ってただけっていうこと……?


私は自分が否定しなかったくせに、周りがヒナの味方したのにムカついてて

千切くんは私が否定しないのにイラついてたってこと?だよね砕いて言えば。




もう、何それ……





『……ふ、馬鹿みたい』

「な、」

『私がもっと早く、自分の気持ちを言えてたら良かったのにね』






そしたらこんなふうに、変に拗れることもなかったのに。






『千切くん、今までごめんね。散々嫌な態度取って……八つ当たりしちゃってたみたい。
……自分が言わなかったのが悪いのに、どうしてみんなヒナの味方するんだって』






あぁ、やっと言えた……

こんなにスッキリするんだ。誰かに気持ちを話すのって






「いや、俺こそ、ほんとにごめん……。
お前が玲王とか凪とかには楽しそうに話してるのに、なんで俺には辛そうな顔するんだろうって……ガキみたいな嫉妬してた」


『いや、別に楽しかったわけじゃないけど……
……えっと、じゃあ私たち、その、お互い様ってことで…いいのかな』


「そー、なるな。うん、そうしよう」







しばらくの沈黙の後、二人で顔を見合わせて思わず笑いが零れた。




「馬鹿だな、俺たち」
『うん、ほんとにね』




目を細めて笑う千切くんの笑顔はとても優しくて、私たちの間にできていた壁を溶かしていくみたいだった。

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ごりらに憧れてます - ちょっと控えめに言って神です。語彙力めちゃ高ですし……小説家なれると思います。応援してます!!最高でした〜 (1月19日 7時) (レス) @page43 id: 930e13de40 (このIDを非表示/違反報告)
黎明(プロフ) - 話の構成が上手すぎて引き込まれました…!神作品を有難う御座います! (10月10日 13時) (レス) @page22 id: 96c5df6fb7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨、ときどき猫。 - 私、最後の「彼との幸せな〜」を呼んだ瞬間、大泣きしました。枕に顔うずめてたら親に笑われました(笑)本当に心が温かくなる話でした!これからも投稿頑張ってくださいね! (6月5日 21時) (レス) @page49 id: 5c49e2991a (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - すっごい泣きまた!本当に素晴らしい作品をありがとうございます! (5月21日 0時) (レス) @page49 id: e67944ae95 (このIDを非表示/違反報告)
ヒラコ - 素敵なお話をありがとうございました。ツナさんの暖かい気持ちに感動しました。生きることは決して楽しいこと、美しいことばかりではないけれども、それらはいつか糧となり実を結ぶのだと思います。私もいつか生きていて良かったと思える日が来るよう今を生きます。 (2023年4月2日 2時) (レス) @page49 id: 488b484064 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ツナ | 作成日時:2023年1月28日 16時

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