【完】だれも見てくれなくても(2)【ブルーロック】

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そういえば、あれからヒナをあまり見なくなった。
一日中自室にこもっているのだろうか……絵心さんから「クビにするか？」と同意を求められたけど、きっとまだ千切くん達はヒナと話したいことがあると思うので首を横に振っておいた。




元々一人で全部仕事をやってたようなもんなので、業務量的には彼女がいなくてもさほど変わらないし。

むしろ手伝ってくれる人も増えて前より楽になった。





「乾燥終わったから、このまま畳んじゃう」


『ありがとう千切くん……でももう休んで。それだけやってくれたらもう十分だから』







やっぱり何度見ても、この人が率先して手伝ってくれるのは意外だ。

他にも潔くんとか馬狼くん、あとたまに凪くんとかが手伝ってくれるけど、千切くんは以前のことを気にしてるのか朝から夜まで、空いた時間があればその度私にやる事ない？と尋ねてくる。





「いいよ。2チーム分だからすぐ終わるし」

『でも、』

「いいって。俺がやりたいだけだから」





私が大丈夫と言っても、こんな風に譲らないのだ。
湯のみの件とかもあってよっぽど申し訳ないと思ってるらしい。別にいいのにね。

それに申し訳ないといえば、私の方がだし……






『…ごめんね、千切くん』

「もういいって。ほら、あとこれで終わるし」

『そうじゃなくて、ヒナのこと』






千切くんの顔が一瞬強ばった。
やっぱりまだ引きずってるんだ……
そりゃそうだよね、あんなにいつも庇ってたんだから。大事にしてた想いも相当だったはず






『千切くんヒナのこと好きだったのに、なんか壊しちゃったみたいになってごめん……』

「………え？」

『せっかく二人ともいい感じだったのに……』

「え、ちょ、ちょっと待て。お前、俺がヒナのこと好きだと思ってるってこと？」

『……そうじゃないの？』






はぁ？と千切くんの顔がこわくなった。

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