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「君は禪院家の元へは返さない。というか、京都校へは返さない」

『え……?』

「正確に言うと直哉と離縁できるまでこっちにいてもらう。禪院家から離れられたあとも、身柄を考慮してしばらくは僕の監視下に置かせてもらうよ。大丈夫、僕と恵っていう世界最強のボディガードが君を守るからね!」





突っ込みたい点はいくつもあった。
あの禪院家に対しそんな手が通じるのか、直哉は私と離縁することをあっさりと認めるのか、第一そんなの恵くんの負担にしかならないんじゃ……






俯いていた私の顔を上げさせたのは、五条さんの「真希を信じてないの?」という言葉だった。





『え?』


「いつか絶対禪院家ぶっ壊すって言ってたでしょ。僕は結構可能性見出してるんだけど、君は信じてないの?」



『……っ』





真希ちゃん……






いつの日か、涼しい秋口の夜に、縁側で休む私に彼女が真剣な眼差しで言ってくれた。

たとえ嘘だとしても、口先だけで行動に起こすつもりは無いとしても、それでも私は飛びつくほど嬉しかった。

期待しすぎると辛くなるのは自分だって過去の経験から得ているので、表向きはそんなことできるはずないと思うことにした。

でもどこか、心の隅ではひたすらに願っていた。いつか真希ちゃんが、本当に禪院家をぶっ壊して当主になる日のことを……







それからだ。寂しくて嫌いだったはずの秋を好きになったのは。






「さぁ、帰ろう。みんなの所に」


『……はい』


「じゃあここの人達にお別れの準備をって言いたいところだけど、生憎時間があんまりなくてさ。あいつらもしぶといよね、もう目星つけてきやがった」





ほら、と見せられたケータイの画面には、禪院家の人間が恐らくこの辺りであろう山の中を詮索している写真が。





『そんな……っ』






こんなに、はやいなんて……






「だから別れの挨拶は巻ってことで!あ、置き手紙くらいなら残してもいいよ」





五条さんが言い切りない内に、気がつけば私はペンを紙の上で走らせていた。






絵心さん、帝襟さん、見るからに不審だった私を匿ってくれてどうもありがとう

みんな、私に第二の人生を与えてくれてありがとう。短い間だったけどすっごく幸せだった







糸師くん



糸師、凛くん







『……さようなら』







勝手にいなくなってごめんね

生まれ変わったら、今度はあなたの隣にいたい

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ミルクティー - 泣いた… (2023年3月10日 18時) (レス) @page38 id: e98fa1655a (このIDを非表示/違反報告)
みは - うわあああすきです!!!更新頑張ってください!!!!! (2023年2月23日 11時) (レス) id: 48943adb31 (このIDを非表示/違反報告)
ツリー(プロフ) - うおおおお!!!!あの作品だったのか!!!!これからも応援してます!!! (2023年2月13日 0時) (レス) id: 8393590549 (このIDを非表示/違反報告)
魑魅魍魎 - ヤバイ、、、めっちゃ好きです!! (2023年2月12日 23時) (レス) id: 0529b76d34 (このIDを非表示/違反報告)
危険因子…テスト期間につき更新停止中(プロフ) - 話の流れがめちゃくちゃ好きです…。影ながら応援しています (2023年2月12日 22時) (レス) id: 6eb434b1d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ツナ | 作成日時:2023年2月3日 17時

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