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こうして幕開けた第二の人生は、まるで夢でも見てるんじゃないかというくらい心地のいいものだった。



絵心さんの前でボロを出さないようにするのが大変だったけど、彼も私の涙を見て同情してくれたのか、記憶が戻るまでは置いてやるって約束してくれた。




私を見つけてくれた赤髪の女性、帝襟さんからこの建物の存在を教えてもらった時、そんな恐ろしい施設がこの世にあるなんてとショックを受けた。



呪霊は一般人から漏出する呪力、言わば負の感情が積み重なって生まれるもので。

負の感情とはすなわち個人の思う恥や嫉妬、後悔などから生まれるものであって、みんなが競争心をむき出しにしているここはまさにその三拍子を創り出すための場所と言っても過言ではなかった。




負の感情を抑えられる体質の私にとっては、パズルのピースがハマるようにピッタリな場所

ここに来たのは運命なんじゃないかってくらい、私はこのブルーロックで天職を得たのだ。







「Aちゃんってもしかして前世住職だったりする?」

『え、……なになに。どういう意味?』

「お祓いとかやってたのかなって」







え、とつい声が漏れた。どうやら呪力を感知しない非術師でもそれ自体が祓われることはわかるらしい。


確かにみんな口を揃えて、君といると心が軽くなるやらストレスがなくなるなどと言っていたな。




逃げ出したとは言えど私も根は善良な呪術師なので、その力を求められることは単純に嬉しかった。






……いや、そうじゃないか。
喜んだのは呪術師としてじゃない。

汚く言うと気持ちよかったのだ。普通の女の子として、みんなにチヤホヤされて可愛がってもらえるのが。

あんなに恨んだ性別のはずなのに、今や自分の武器となっていた。






めいっぱいの笑顔をみんなに向けた。

愛嬌を振りまいた。

好きになってもらうような態度で接した。







自分はこんなにも女が向いていたのかと、笑えるくらいに。








私が笑顔で話すだけで、みんなの呪力が消えていく。

みんなが自分という人間を求めてくれる。



ここに来て初めて、生きる意味を見いだせた気がした。

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ミルクティー - 泣いた… (2023年3月10日 18時) (レス) @page38 id: e98fa1655a (このIDを非表示/違反報告)
みは - うわあああすきです!!!更新頑張ってください!!!!! (2023年2月23日 11時) (レス) id: 48943adb31 (このIDを非表示/違反報告)
ツリー(プロフ) - うおおおお!!!!あの作品だったのか!!!!これからも応援してます!!! (2023年2月13日 0時) (レス) id: 8393590549 (このIDを非表示/違反報告)
魑魅魍魎 - ヤバイ、、、めっちゃ好きです!! (2023年2月12日 23時) (レス) id: 0529b76d34 (このIDを非表示/違反報告)
危険因子…テスト期間につき更新停止中(プロフ) - 話の流れがめちゃくちゃ好きです…。影ながら応援しています (2023年2月12日 22時) (レス) id: 6eb434b1d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ツナ | 作成日時:2023年2月3日 17時

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