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そう、どうかしていたんだ。









「好きだ」







あの日、二人で座って並んで話した夜





俺は「そろそろ行こっか」と立ち上がろうとしたあいつの腕を掴んで、その丸くなった瞳に伝えた。




なんで、あのタイミングだったのかは分からない。


練習終わりっつーいつも通りの雰囲気でムードもへったくれもなかったし、なにより突然すぎた。

あいつも最初は、何が、、?と首を傾けていたし。


でも、俺の中の何かがきっと、ここしかないと思ったんだと思う。







"そうやってうかうかしてると、あっという間に取られちゃうよ"








引き金になったのは、きっとこの言葉だ。




腕を掴む前に、あいつが俺の気も知らず和気あいあいとあの胡散臭メガネとのやりとりを話してくれたおかげで、ふと思い出したんだ。





"彼女かわいいよね。僕も狙ってる"







奇遇だな雪宮



俺もずっとそう思ってた







多分、初めて会った日からずっと

俺はあいつを目で追いかけてたんだ。









「……お前は、どうしたら俺のもんになってくれるんだ」


『本気、なの……?』


「んなつまんねぇ嘘つくかよ」







自分の一世一代の告白は、相手を困らせるだけだったらしい。
さっきまで向けられていた好きな女の笑顔は、今や泣きそうだ。







『……私なんか、好きになったらダメだよ』


「なんで……」





『だって私は……っ……どこの誰かも、分からないんだよ?』






泣きそうな顔が訴えていた。







「……あぁ、確かにそうだな」







自分で言った癖に、そうやって傷ついた顔するなよ








「けど、それがなんなんだよ」








俺はもう、目の前のお前しか見えてねぇんだから

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ミルクティー - 泣いた… (2023年3月10日 18時) (レス) @page38 id: e98fa1655a (このIDを非表示/違反報告)
みは - うわあああすきです!!!更新頑張ってください!!!!! (2023年2月23日 11時) (レス) id: 48943adb31 (このIDを非表示/違反報告)
ツリー(プロフ) - うおおおお!!!!あの作品だったのか!!!!これからも応援してます!!! (2023年2月13日 0時) (レス) id: 8393590549 (このIDを非表示/違反報告)
魑魅魍魎 - ヤバイ、、、めっちゃ好きです!! (2023年2月12日 23時) (レス) id: 0529b76d34 (このIDを非表示/違反報告)
危険因子…テスト期間につき更新停止中(プロフ) - 話の流れがめちゃくちゃ好きです…。影ながら応援しています (2023年2月12日 22時) (レス) id: 6eb434b1d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ツナ | 作成日時:2023年2月3日 17時

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