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『お疲れ様』

「おう…」





労りの言葉と共に差し出された白いタオルを受け取る。
俺がしゃがんだままだっから目線を合わせようとしたのか、それともただ疲れたからなのか、よいしょといいながら隣に腰を下ろした。



真っ直ぐとゴールを見据えていたそいつの目が、不意に俺の方に向く。目が合いそうになったのですぐに視線を逸らした。
初めは気にしないでいたが話してる最中もじっと見てくるため、なんなんだよと横を向けば丸っこい瞳に捕らわれる。


俺と同じ人間の眼球であるはずなのに、どうしてこいつのはこんなに華があるのだろう。





「……何見てんだよ」

『そっちこそ』

「……」

『……』






意味もなく見つめ合う時間





流れるのは沈黙なのに不思議と不愉快ではない。むしろ、心地いいとさえ感じた。



それが、こいつの良いところなのだと思う。








元々俺よりちっさいこいつは、膝を抱えるように丸まって座るとさらに小さくなったように見えた。そんなに弱そうで、この先一人で生きていけるのだろうか。別に、頼まれれば守ってやんないこともないけど。




ただえさえこんな閉鎖空間でもお前を狙う輩がうじゃうじゃ湧いてるっつーのに、外になんか出たら余計脳無しの馬鹿共に狙われるに決まってる。


声だって山ほどかけられてきたはずだ。お人好しだから、危ねーやつに気に入られてストーカー被害なんかも有り得る。







こいつの半生について一度考え出せば止まらなくなった。


知りたいのに、肝心のこいつが覚えてなきゃなにも分からない。






「……お前は、どーしてたんだろうな」

『なにが?』

「変なやつに絡まれた時とか、どうやって逃げてたんだろうなって」







脈路なく始まった会話に、その人よりもデケェ目をパチクリとさせる。
だがすぐにその目はゆるく細められていった。





『ふふ、なに、それ。心配してくれてるの?』

「別に。お前雑魚そうだから気になっただけ」

『酷いなぁ〜。こう見えても私結構強いんだよ?ちゃんと戦えるんだからね!』

「どこ見て言ってんだ」






自分のこと知らなすぎだろ。

そんな薄っぺらい身体で、一体どうやって戦うっつーんだ。

*→←糸師凛の想い



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ミルクティー - 泣いた… (2023年3月10日 18時) (レス) @page38 id: e98fa1655a (このIDを非表示/違反報告)
みは - うわあああすきです!!!更新頑張ってください!!!!! (2023年2月23日 11時) (レス) id: 48943adb31 (このIDを非表示/違反報告)
ツリー(プロフ) - うおおおお!!!!あの作品だったのか!!!!これからも応援してます!!! (2023年2月13日 0時) (レス) id: 8393590549 (このIDを非表示/違反報告)
魑魅魍魎 - ヤバイ、、、めっちゃ好きです!! (2023年2月12日 23時) (レス) id: 0529b76d34 (このIDを非表示/違反報告)
危険因子…テスト期間につき更新停止中(プロフ) - 話の流れがめちゃくちゃ好きです…。影ながら応援しています (2023年2月12日 22時) (レス) id: 6eb434b1d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ツナ | 作成日時:2023年2月3日 17時

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